今日は父の日だそうだ。
ここんところ、〇〇の日にはアンテナを張らなく
なってきたせいか、最近までその日も忘れていた。
昨年の今日、父は生きていた。でも、コロナで会えず、
また寂しい毎日を送っていた父に、元気な頃のような
プレゼントはできなかったが、手紙を書いて
届けた記憶がある。
それが今から思えば、最後の父の日。
父なき記念日は、寂しさが募る。
実家に咲く、紫陽花を1本持ち帰る。
そして、
父との会話を思い出すが、気になる言葉ばかりが
蘇る。
「わしの人生、終わったわ」
「おれの気持ち、おれにしかわからん」
免許返納後、そして病に倒れてからの
父の心の叫びが蘇ってくる。
そのことに、何もしてあげられていなかった
ような気持ちになる。
人生はずっとピークではありえない。
下り坂が必ずくる。
父のことを思い出す。
いろんな顔、いろんな場面・・。
そして、ふと、ピアソラが亡くなったお父様のことを
しのんでつくった「アディオス ノニーノ」(さよなら、お父さん)
のことを思い出し、ブエノスアイレスから持ち帰ったバンドネオンの前に、
紫陽花をおいてみると、あのメロディが蘇る。
自分が撮った長良川の漁火の写真と、紫陽花と、ピアソラ・・・・。
(漁火も父を想い出す、ふるさとのシンボルだ。)
私にとっての今日の父の日は、不思議な組み合わせ。
父を静かに思い出し、懐かしむ1日にしたい。
会いたくなるのが、たまらないけれど・・・。