事業により、名前を使い分け?

作家でも書家でも歌手でも、本名以外の名前で活躍する方は多い。歌手で本名の方は少ないだろう。その世界で生きる上で、イメージアップのため、ブランディング上、芸名は必要だ。なかには、複数の職業を持つ場合、それぞれにまったく違う名前を使い分け、ああ、同一人物なんだ~と世間を驚かせる人もいる。
私の場合は、普段の生活、いわゆるビジネスの場面では、当然本名「今尾昌子」である。そして20年ほど前か、電子メールが普及しはじめたときにメールアドレスというものが必要となったときに面白がって自分の名前をmahsa(マーサ)と命名、いつのまにかその名前が周囲に浸透してきたせいもあり、サラリーマン卒業後、再開した音楽活動も本名ではおかしな感じであったため、このmahsa(マーサ)という名前をアーチスト名として使い続けてきた。おかげさまで、「マーサ」「マーサさん」と呼んでくださる方も多く、メールやお手紙ではMahsaという横文字で記してくださる方も多い。アメリカ住まいの人には「これってマーシャだよね」と言われるが、「いえ、英語読みじゃないのでマーサで読んでください」と自己流の説明。と、今のところ、この2つの名前で活動してきているが、このたび新しい事業をスタートするにあたり、アーチストとしての活動なのでいつもどおり「mahsa(マーサ)」でいこうと思っていたが、その事業のパートナーさんが「いや、mahsaだと洋のイメージが強すぎるので、今回の事業は『マーサ今尾』がいいです」とこだわられる。今回のその事業は、確かにクラシックとかジャズとか・・ではなく、和と洋の融合でもあり、和のノスタルジック的世界の表現になる。であるから、音楽もmahsaではなく、マーサ今尾が担当・・というのがいいそうだ。「今尾というのはいかにもそのままなので、ひらがなだとどうでしょう?」「まーさいまお?それは無しですね・・」「いえ、そうじゃなく、『マーサいまお』です。」「うーん。音はいいですが、漢字に比べたらインパクトがないですね。私は『マーサ今尾』がいいです!」と、カタカナと漢字の和洋折衷を好まれる。私は本名の今尾という漢字はアーチスト名としてはあまり似合わないと思ってきたが、今回は和ノスタルジックを昭和の感覚で、表現していくということもポイントになるので、本事業はパートナー案を受け入れることにした。
職業で名前を変える、さらに事業により名前を変える。しかし、本質も実態も存在も、ただひとつだ。アイデンティティーは変わらない。ぶれないように、自分がその目的、場面のなかでより適切に伝わるようにネーミングしていくことも大変重要だ。
また新たな分野での自分の見え方を楽しみながら、まずは中身をしっかり仕上げていきたい。

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