「一点集中力」で課題も心もクリア!

今年のわが目標のひとつに、「V100プロジェクト」というのがある。できたら公言しようと思っていた。Vとは、ワルツWALTZのスペイン語VALSASの頭文字であり、またこれをやりきれば、自分にとってのVICTORYであるためVを頭に100。そう、今年1年でワルツ100曲を書く、作る、生み出す。という自主プロジェクト。しかも達成は、今年前半でやりきろうと思っていたので、6月末を当初の締切としてスタートした。できるかな?かなり難しそうだと思いつつも、決めた以上は走るしかない。思えば、元旦長崎のホテルで書き始めたかと思うと、ニューオリンズで、マカオで、、、カフェで空港で、機内で、新幹線車内で・・と行く先々で一人の世界になれるときに一気に書き進めた。しかし、日常に戻ると、雑音も雑念も満載で、なかなかその体制にもなることができず・・。いつも道具だけは出張バッグに入れているが、五線紙ノートを開くゆとりもないまま、時間が経つ。作りだめして、またしばらく放置、そしてまた・・の繰り返しの5か月。作曲にまず必要な道具は五線紙ノートとペン、そして老眼鏡。(笑)五線紙は、ブエノスアイレスの楽譜店でいつも調達しているものを使う。それを用いることで、モチベーションアップになるのが狙いだ。作曲を打ち込みで行う方もおられるようであるが、私の場合は、静かなところで五線紙に向かえばとりあえずいい。白い紙でもあれば、五線をフリーハンドでひけばいい。とくにピアノはなくてよい。頭の中でピアノが入っている感じだ。あとで書いたものを弾いてみると、おおむねOK。ずれていない。だから、紙とペンさえあれば作曲は可能。もし、歩いている途中や買い物中や美術館などでメロディが浮かんだら、人目を避けてスマホに録って、あとで記録する。他のものづくりに比すれば、なんと、資本のかからない仕事かとつくづく思う。この才能をもっと生かさねばと思えるほどだ。しかし、よし!と気合を入れてはじめなければ、出てこない。何者も受け付けないぐらいの1点集中の状態にならねば無理だ。始まるまでにかなりのパワーが要る。そして、旅先であればその場所のことを思いながら、またはあるカフェを思い出しながら、あるいは誰かのことを思い浮かべる。具体的にイメージできるものがあれば、すぐにメロディは出る。作曲はひらめきからはじまる。そしてワルツは、日本の演歌から、シャンソン、ジャズ、ウィンナワルツ、讃美歌、アルゼンチンタンゴのワルツ、ショパンのワルツ・・・などなどいろんなスタイルにすることもでき、広がりが無限の音楽の形式だ。舞踏だけでなく、哀愁や祈りを込めることもできるのだ。最初100曲作ると決めたのは、この可能性に面白さを感じたから。そして、果たしてそれだけの命題に自分がついていけるか?という挑戦でもあった。再来週、わけあってレコーディングをすることになり、そこになんとかワルツもいくつか盛り込みたいと思い、それまでになんとか100曲を書きだそうと決め、この1週間でかなり集中した。人は土壇場になると、無理が効く。まずは、ノート4冊に書きなぐったワルツたち。もちろん似たような感じのものも中にはある。それはそれでよし。12の音しかない組み合わせ、多少似通うものは、自分の中に強く、深く入っているメロディだ。これから、磨き上げていくと同時に、使えるものはどんどん使っていく。よし、今年の課題は1つクリア。行動のクリアは、心もすっきりさせてくれる。自分を裏切らず行動できたことに安堵する。このノートは今、私にとってもっとも大切な文化遺産だ。

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