コロナの影響は、人々の消費スタイルの変化にも及んだ。
テイクアウト、デリバリー、ネットをはじめとした通販の進化は
コロナのプラスの影響。
一方、対面販売、外食、密接かつ濃厚コミュニケーションを必要とする
サービスは大打撃。
苦難の約二年半を耐え、コロナ感染が少し収まり、
人が自由に往来し、少しつづ集まることができるようになって、
町に賑わいが戻り、笑顔があふれるようになった。
外出したいし、人と話したいし、一緒に食べたいし、交流したいし・・・。
長い我慢から、やっと解放されたこの5月。
マスクの上からでも笑顔がわかる。
そんななか、市場、市とよばれる場に足を運んでみる。
対面販売の原点である。
たとえば京都の錦市場。
今はまだインバウンドが戻っていないおかげで、ひと昔の
活気ある市場が復活した様相で、とてもうれしくなる。
あの狭い小路を歩きつつ、京の台所から学びをいただく。
たとえば、バナナの売り方。一山全部を籠に盛って売るだけでなく、
3本を1カゴに、モンキーバナナ4本を1籠に盛って100円などと
いった売り方もしている。おひとりさまには、また食べきりたい場合には
ちょうどいい。あ、気が利いているな。
ある店では、大きめの袋に入った(おそらく仕入れたままの)昆布飴を
そのまま400円とか500円とかで販売しているが、
別の乾物屋さんでは、同じ商品を少しだけ小分けにして100円、
その倍入っていたものを200円などと工夫しており、各店の売り方の
工夫、センスを感じた。
初めて買う時は味がわからないから、小さい方がいい。と言う方もおられる
だろう。
お客さんがどうしたら、買いやすいか。と同時に、
どうしたら、早く売れるか?
の両者の目線が大切だ。
あ、小売りってこういうことだ。と多くの発見をもらえる市場。
「あ、今焼いたばかりやしね~」
魚屋のおばさんの声がこだまして、この焼きたての言葉についつい
つられて、店を覗いてしまう。
魚屋さんは、生の魚だけでなく、加工品を多く売る。自家製、焼き立て
作り立てというのも、小売りのポイントだ。
「じゃ、ひとつもらっときますわ~」
気づいたら、お金を払っている。
「おおきに~」
の言葉がこだまする。それが小売り。それがマルシェ。
わくわくするのは、この空気感もあるのだろう。
インバウンドで混みあっていたときには、そんな細かな気づきも
目に入ってこなかった。積極的に足を運ぼうとしなかった。
ネットも、非接触もいいけれど、やはり人肌を感じる市、商店が
大好きだ。
そう、買いに行くだけでなく、コミュニケーションを楽しむ。
店とは、売買の場としての機能だけでなく、交流の場であり、
元気の交換の場である。
昭和の面影を残す商店や、さまざまな「市」がなくならないように
受け継ぎ、応援していかねば。と思う。
マルシェの原点から楽しく学ぶ。
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