生涯知性、感性豊かに生き抜く。

数年前、大学の社会人講座で知り合った人。
たまたまいつも座る席が前後ろ。
他の受講生とは、なぜか話さない、ちょっと離島的な存在。

そんな二人が、講義後に自然と挨拶を交わすようになって、
現役学生のように、学内のカフェで話すようになり、
互いの素性を知り、数年間、ずっと交流を続けている。
今思えば、この方との出会いも、23年の東京暮らしで得た
貴重なギフトのひとつだったかもしれない。

お年の頃は、もうすぐ70代にさしかかる頃だが、
いつも届くメールは、スペイン語。
この数年間、そのスタイルは変わらず。
最初同じ講座を受けていたのに、私はすぐやめたが、
その人はその後もずっと勉強を続けている。
その語学力を活かして、スペインの著名な巡礼地にも
ひとりで出かけたぐらい、冒険心と向学心の塊。
今はコロナで海外は行けないが、和歌山、長崎と
歴史ある国内各地を探訪しながら、次の渡航準備をしている。

この方は、もともとは原子力の専門家。
広島に生まれ、ご家族が被ばくされたことで、この道を
選び、定年まで勤めた方だ。そして今も勉強を続けている。
いくつになっても、向学心をもって、知的探求を続ける。
平和のために、選ばれた道だとのこと。

このように、ずっと志高く、知的好奇心をもち、勉強を続ける
人生の先輩が、おかげさまで周囲には多くいてくださる。
こんな、前向きな、知性、感性豊かな人とはぜひ交流し続けたい。

常に前を向いて、生きる人は魅力的だ。
おかげさまでいろんな専門家に囲まれて、しかも権力や
欲と関係なく、本当に知的で・・・。

最後まで、人生を豊かに生きるための努力を惜しまないことが、
毎日を楽しく過ごす秘訣かもしれない。

いつもスペイン語のメールを自動翻訳しながら、日本語で
返信するという奇妙なやりとり、これからも楽しみたい。

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