プロモーションの外から見る風景。

母の日への追い込みがピークである。
「明日〇時受付終了!急いでお申込みください」
というネット広告、売り場展開・・・。
連休の終わりとともに訪れる、売り手の止まらぬ次の手。
例年のことであるが、今年もやってきた。
ふるさとへ帰らなかった人も、帰れなかった人も、
もちろん帰った人も・・・であろうか。

一昨年前までは、そのことに何の違和感も感じず、
「あ、カーネーション送らなきゃ」
とそれなりに、毎年工夫して送る手配をしてきた。
父の日も同じだ。まさにこう言ったプロモーション
に反応してきたわけだ。

しかし、昨年からこれらの賑わいを、これまでと
違う感覚で受け止める自分がいる。
母の日も、父の日も、私の中では終わりました。
と言う感じだ。
また、すでにお母さんがいない方には白い
カーネーションを・・とか言われると
「ほっといて~」
と思ってしまう。

とにかく、お祭り気分にはなれない。
静かに、いつもどおり母のことを思うだけ。

ふと、いろんなことを思い出す。
バレンタインもホワイトデーも、
だんだんどうでもよくなってくる。
記念日商戦のひとつと思えば、
さらにどうでもよくなってくる。
町の風景として横目で見ながら、
それに反応する人々を観察する・・・
記念日イベントとは、そんな付き合い方になる。

今、なぜかバレンタインのエピソードをふと思い出す。
随分と前のこと。NYで出会った歌の先生は、
「マイ ファニー バレンタイン」
を教えてくれた際に、
「毎日がバレンタインだね」
と言われていたことを今も思い出す。素敵だ。
そう人を愛するのは、毎日のことだ。
みんな同じ日に告白、プレゼントする必要はないのだ。

と同じように、母を思う、父を想うのは
毎日のこと。

特定の日でなくていい。

だんだん長く生きていると、
プロモーションは無縁だな~。
という気持ちになるのか、
いや、自分はその世界の外にいることを
実感するのか・・・。

とにかく、売るだけの記念日は卒業だ。
連休も、催事も、風景になっていく・・・。
そんなことを楽しめばいいか。とも思う。

さあ、今日から切り替えてスタートという方も
多いだろう。
今日の町は、どんな風景だろう。
楽しみながら、歩き出そう。

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