モノクロは難を隠す?

ある要件で、急きょ写真が必要になった。できれば正面ではなく、話をしている
ところが良いという。探したが、ライブのときのトーク風景では、帽子をかぶっていたり、ちょっと雰囲気が違うそうで、求められた写真が手もとにない。
では・・・と思いついたのが、地元のアマチュアカメラマンの顔。
この方には、地元でのライブで撮影をお願いしたこともあるが、なかなかの腕前だ。忙しい方ではあるが、ダメもとで連絡したら、「いいですよ!」と二つ返事で応じてくださった。
「インタビュー風景なら、モノクロの方がいいですよね」
とカメラレンズの都合でか、そう尋ねられた。そして、私がモノクロが好きだと
いうこともわかっておられる。
「そうですね。モノクロの方がいいですね。使うのも多分モノクロの紙面なので」。

そして、職場の仲間に部屋を借りたり、インタビューの相手役をつとめて
いただき、世間話をしている間に、撮影をしていただいた。
実はこのコロナ禍では、アップの写真はちょっとためらいがある。
マスクをずっとしているので、顔が緩む、引き締まっていないのではないか・・
という懸念。もちろん毎日、それなりのケアはしているが・・である。
それでも、そんなことは気にせず、普段どおりに話をし、その様子を撮って
いただいた。
十数分の間に、何十回のワンショットが切り取られた。
写真はその一枚だ。
モデルは変えられないし、合成もしないので、それなりに・・であるが
写真としてはとても良い。
やっぱりモノクロは、カラーよりも美しい。シンプルでありながら
表情が伝わることを、改めて実感した。

今後、自分の広報活動で使えそうな、素敵な素材が増えた。
今度は、次回のライブでも撮影してくださるとのこと。
腕ももちろん、そして心からの応援がシャッターに込められて、
嬉しい、素敵な1枚になる。

母がお世話になった方が、今このように私がお世話になっている。
ご縁は世代を越えて。そしてモノクロは難を隠す。


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