忘れちゃいけない0番線。

 京都駅の中を急ぎ足で歩いていた。
改札を出るため、構内を歩き、階段を上がったり、下がったり・・・、
 すると、普段は視界に入らない、懐かしい表示に出くわした。
写真にある、0番線のサインだ。
 普段は利用者が多く、混雑しているから見えなかったのかもしれないが、
 このときは、0の文字が「おい、ここ ここ」と
 私を呼んだぐらい、しっかりくっきり迫ってきた。
 ここは、実は先日投稿した、
 今は亡き元上司たちが、23年前に集まって夜行列車に乗る
 私を見送ってくれた場所。まさにここ、あの0番線ホームだ。
 そうそう、と思い出した。

 通常の列車はほとんど止まらず、寝台特急など特別な車両が出入りする
 ホームのはず。だから、ここには行列はなし。あまり人目に触れないエリア。
 ここから改札越しに京都タワーがそびえる。今は伊勢丹の駅ビル・・。
  あの頃と全く景観は変わった・・。

 全国の他の駅に0番線があるかどうか?はわからないが、
 京都駅のこのホームは
 私が独立の道に進んだまさにスタート地点、原点なのだ。

 思わず懐かしくて、この文字をゆっくり見上げた。
 そうだ、何か新しいことにチャレンジしたかったら、ここから乗ればいい。

 そんな気持ちも沸いてきた。

 今、ある意味、私は改めて0番線に立っている。
 どっちへ向かうか?何をするか?
 あの34歳の私の気持ちを思い起こしたら、なんだかワクワクしてきた。

  わたしの0番線。
  いくつになっても、時々、見上げるとしよう。

  ターミナルという存在は、常に私に刺激を与えてくれる。
  だから、好きだ。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク