自然には感情がない、人間は?

今日であの東日本大震災から11年を迎える。
今も忘れない。銀座のカフェで打ち合わせしているとき、その店のシャンデリアが今にも落ちてきそうに大きく揺れて、これまで感じたことのない恐怖を感じた。都内の様子がじわじわと変わっていった。夕食のアポイントもキャンセルとなった。
そのあと、すべての交通機関がストップしたのか、1時間ほど歩いて帰宅した。
途中、普段見ないような人の波を見た。ものすごい数のビジネスマンたちが皇居の周りを歩いていた・・。会社支給らしいヘルメットをかぶっていた人もいた。
そしてなんとか自宅に戻り、本棚から、食器棚からあれこれ散乱して・・・でも、そんなのことよりも、テレビで見た映画のような津波に衝撃を受けた。
あれからいろんなことがあった・・・。
あれから、人間は謙虚になるのかなと思っていた。
大自然に対して、地球に対して・・・。

被災された大船渡の知人は、かもめ飛ぶ青い空の下、静かな海を見て
「いやー、自然には感情がないんですよ。今は、何ごともなかったように、何なんだと思いましたよ」
今もその言葉を忘れることができない。
そう、人間は感情があるけれども、海には・・・。
と感じたあの大惨事から11年。

人間にも感情がないのよ。

と言いたくなることが起きている。

天災も人災も、避けることは難しい。
でも、出来る限り、避けて生きていきたい。
運しかないのだろうか?努力ではどうにもならないのだろうか?

東日本大震災と今のウクライナのことで共通しているのは原発のこと。
最後はその不安が残る。
その不安と付き合ってきた福島の人々の11年・・・。
本当に言葉にならない。
災害がない社会を目指すことができないことが、心苦しい。

被災された皆さま、そしてまだ行方不明でおられる方々に
祈りを捧げたい。
愛する、大切な人は失いたくない。
それが生きる糧になるのだから・・・。
そして、被災を乗り越え、力を合わせて乗り越えてこられた皆さまに
心から拍手とエールをおくりたい。

3月11日。忘れてはいけない。

今日を思って創った「レクイエム11」を心で弾きながら・・・。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク