いつの間にか相撲が好きになった。子供の頃、おじいさんたちが日曜の夕方になるとテレビの前で「相撲」を見ているのを見て、相撲は時代劇同様、年寄り向けの娯楽だと思い、自分には関係ないと思っていたが、大人になるにつれ、とくに40代を越えてからか、超集中力が求められるあの競技に興味を持ち、だんだんと好きになってきた。最近では相撲がはじまると、毎日観ることはできないけれどなんだかウキウキし、また千秋楽が近づくと寂しい気持ちになるようになった。日曜の夕方は取組をみないとなんだか損した感じ。○○場所の2週間は、なんだか楽しい日々なのだ。力士ががんばっている様を見て、私もがんばろうと仕事にも力が入る。相手と向かい合うこと、この上ない集中力。この2点が私にとっての相撲の魅力。そして、横綱が好きだ。自分との勝負をしている頂点の人を見ていると、とても勉強になる。刺激になる。他の者に追い付かれる、追い抜かれることがないように、人の何倍も稽古するのだろう。ある意味、勝って当たり前。負けてはいけない。このプレッシャーはいかほどのものだろうと、勝負に向かうときのあの鋭いまなざしを見て、あるいは勝負を決め、土俵を去る背中を見て、横綱という存在の重さ、孤独、強さを勝手に感じるのだ。
頂点に立つ人の努力を見て、あんな風に強く生きなければといつも思っている。何を言われようか、それも仕事と腹をくくっていなければならない。頂点に立つ人には忍耐も、強くも広い心が必要なのだ。
自分との勝負ほどしんどいものはないだろう、しかし自分との勝負だからこそのやりがいがあるはずだ。
今回、最後に優勝を逃した横綱と、弟子のために踏ん張った横綱。どちらもすごかった。まなざしも背中も。
とにかく夏場所が終わって、なんとなく寂しい月曜が過ぎた。そうこうしているうちに、早く次の場所がやってくるように。
横綱のまなざしと背中。
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