出せる場所でありたい。

企業で働く人の相談や面談という機会が多い。
研修や講座ももちろんやりがいがあるが、この寄り添い型の
コミュニケーションはとても好きな仕事のひとつだ。

とはいいつつ、聞く仕事は以外とパワーが要る。
相手の話を受けとめることが前提になるので、それなりに
自分の容量を空けておかねばならない。
いろんな情報がいっぱい入ってくるため、それを入れて咀嚼して
そしてより良い方向へ導くアウトプットし、すっきりしていただく。
単に聞き手であるだけで終われない。
10人の話を30分づつ聞き続ける。
ひとりひとりにとっては、1回きり。
大切に向き合う。

心の窓が開くと、人はなめらかに話し始める。
人見知りなんですよ~といいながら、よく話す。
「話していいんですか。」と何度も確認する人もいる。
心の窓の開き方は、人それぞれだ。
とにかく、いっぱい話して、聞いてくれるとうれしい。

吐き出したいけど、吐き出せないことも多い。
そんなとき、距離的に近すぎることもなく、
また客観的に見てくれている、自分と利害関係にはない、
そんな人が聞いてくれると、安心して話せるようだ。

数時間のこのセッションを終えると、なんだかお腹いっぱいになったような
気がしてくる。
食後のエスプレッソが欲しくなる。

今日会ったそれぞれの人が、
今日はいい日だった。と思ってくれていたらうれしい。

そう、時に、真面目な人、悩める人、言えない人たちの
出せる場所であれば
いい。

・・・今日から3月がはじまる。
早く無意味な、戦争が一刻も早く終わってほしい。
祈りを込めて、今自分ができる小さなことを重ねていこう。



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