昨日は、今日から開演する朗読劇の「小屋入り」。演劇の業界用語らしい。
劇場に全員が集合し、そこに籠って最終の練習。
「場当たり」といった場面転換の照明の確認や、
「ゲネプロ」というリハーサルなど、1日、演劇人の中に混じって、
普段と違う時間を過ごす。
その会場に、演者に、照明に、音楽に・・慣れ、空間のなかでどう演ずるのか
想像を膨らませながら、自分の役割をまっとうするべく、熱心に練習する。
初めて集中してこの公演にどっぷり浸れる、貴重な日だ。
最新の台本(「上演本」)を初めて通しで読み、改めて作品を理解する。
劇場に入ってしまうと、その世界に入ってしまえることが、とても
新鮮。本番が近づく、逃げられない感覚もたまらなく好きだ。
脚本家、役者さん、照明さんたちと一緒にお会いするのは初めて。
「よろしくお願いします」とご挨拶。
おかげで、今回の作品のちょっとしたテーマソングをつくったことで、
皆さんとの一体感が生まれた。お互いを良く知らないのに、それを歌うことで、たちまち、一緒に作品をつくっているという仲間意識も一気に高まり、
なんだか楽しくなってくる。
今回は朗読劇であるため、演技自体は言葉が勝負となる。
コロナ的にも、朗読劇は安全だ。
役者は、それぞれうまい。やっぱりプロだ。
みんな、それぞれ自分の夢を賭けて、頑張り続けているのだ。
下北沢の劇場には、そんな役者たちが東京、日本中から集まって、自らの
演技を毎日披露している。
この2年間、どんなに大変な日々を皆さんおくってこられただろう。
このような状況でも、「やろう!」と思う気持ちがとても理解できる。
皆さん、逃げないのだ。とても共感できる。
「明日は、雪で、キャンセル出るやろうなあ。」
「こんな状況で来てくれるお客さんは、よっぽど好きな人。変わった人」
と笑って言い合う。なんだか前向きで、楽天的。でも強さを感じる。
お客さんがたとえ、いない幕があっても、やりきる。
オンラインではまだ湧いてこなかった、なんともいえない緊張感と、一緒に
作り上げようという一体感が高まる。
稽古が終わって、小屋を出る。
気が付けば、夜9時。外に出たら、予想通り雪が降っている。
町もコロナのせいで、時短営業のため、静まり返って、
雪ふる音がしんしんと・・・。
さあ、舞台は東京。メディアが騒ぐ様子とは違う様子も含め、
東京に住んでいた5年前をふと思い出す。
あの頃は、親に電話していた。
「明日、劇に出るし、劇でピアノ弾くし」
今は、心のなかで報告する。
さあ、今日は初日。
まずは、気を付けて、会場に向かおう。
応援してくださる皆さま、こんな状況でも足を運んでくださる皆さま、
配信予約をいただいた皆さま、大変ありがとうございます。
引き続きのご予約、ご来場、心よりお待ちしております。
「スーパーむつみ堂のバレンタイン ストーリー」
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