今、ある「歌づくり」を進めている。
企業ではたらく、障がいをもつ人たち同士、周囲の皆さんとをつなぐ、
コミュニケーションツールとしての音楽づくりと活用。
ちょっとした発案から、夢が実現に向け動き始めた、小さなプロジェクト。
皆さんに、仲間と一緒に働くことの楽しさ、やりがいについて、
グループ・個別面談をしながら、それぞれの言葉で語ってもらったことを、
皆の想いとして、一曲にまとめるという流れ。
とりあえずメロディラインはできて、歌詞も頭の中に浮かぶイメージを、
あとは一気に出すだけの状態。アウトプットにはちょっとの集中が必要で、
それがなかなか・・という状況であるが、期限を決めて自身を追い込む。
リズミカルで、どの人にも楽しんでいただきやすい曲を・・・。
〇〇マーチと名付けた。皆さんも大賛成!でまずは安心。
さて、曲ができたら、今度は演奏を皆で行う。
その仕込みがはじまる。
まずゴールを決めましょう!
ということで、その会社の設立記念日を、本番とすることにした。
スタッフだけでなく、障がい者の方にも一緒にそのミーティングに入って
いただき、どうやったらゴールに近づけるかについて、意見をもらいながら
皆さんと決めていく。
「どんな本番がいい?」「誰に聴いてもらいたい?」
全員で演奏するだけでなく、もちろんギャラリーがいた方がいい。家族に
聴いてもらうのもいいこと。やりがいにもなる。
などなど、前向きの意見が出てきて、うれしくなる。
事務局は大変であるけれど、うれしい悲鳴と解釈させていただく。
では、誰が歌い、誰がどんな楽器を受け持つのか?その役割分担は
メンバーの皆さんにお願いする。自分たちのことを、自分たちで話し合う。
やらされる仕事にならないために、こういった役割を任せることも大変意味がある。
仲間同士で話し合ってもらって、曲づくりのプロセスのなかで、企業内の
コミュニケーションが図れるようになればいい。
「絵やデザインが得意な仲間がいますが、その人たちの能力を活かす場は
ありますか?」
という質問が出る。確かに器用な方もおられた。その才能ももちろん
生かしたい。
「では、本番のチラシやポスターをつくってもらって、それをみんなのご家族や
グループ会社の皆さんに配付したり掲示したり・・ということで、
活躍いただくというのはいかがでしょう?」
画面の向こうのマスクの顔が、頷きと笑顔であふれる。
そう、ひとりひとりの能力とやる気を活かして、みんなで作品づくりをする。
皆さんがこんなにのってくれるプロジェクトになってきて良かったと
胸をなでおろす。
障がいのある人もない人も、一緒になって小さなゴールを目指す。
これは、言い換えれば金メダルを目指すことと同じかもしれない。
でも、競わない。他と比べない。
自分たちができる、最高のパフォーマンスを成功させたいだけ。
ゴールを決めると 自ずとお尻に火がついてくる。
やるしかない。
輝く皆さんとともに、皆さんがもっと輝くために。
そして、もちろん私も一緒に輝きたい。
今、皆さんのご家族が喜んでくださる瞬間のこともイメージ
しはじめている。