「『かわいい』の一目ぼれは要りません」といった、ペットを見た目だけで
安易に購入したり、飼うことへの警鐘を鳴らす、公共ポスターを見かけるたびに、
ペットが捨てられ、動物たちがかわいそうなことになっている現状を想い、
本当にそのとおり・・・と、
そのポスターに登場する悲しそうなペットの目から目を離すことができなかった。
そんな折、妹の家族がこのたび、犬を飼い始めたと聞き、ビックリ!
しかも、ペットショップで結構いい値段でお買い求めになったようで・・・。
「へ?犬、飼った?買った?へ?そんな高いの?」
よく飼ったと、よく買ったの両方の意味で、驚いた。
どうやら、子どもたちの強い要望で、社会人になった子どもたちが
自分たちのお金で、自分たちでペットショップを何軒も回って、
探してきたそうだ。
4軒回って、最後の店にあった犬を買ってきたという。
プードル種で名前は「くうちゃん」。
慣れない環境で、家のなかで吠えたり、
家族にかみついたり、もちろん糞も・・・。
そのうち、散歩も毎日か連れていくことになるのだろう。
「わんこは、その後、どう?」
と尋ねると、妹は手を見せて、
「こんなにかまれてるわ。」
と笑いながら、応える。
「でも、ロボット買うよりも、ウンチしても命がある方がいいよね」
と言う。そりゃ、そうだ。
この家族は、普段からおとなしい、会話少な目めのよう。
「わんこのおかげで、家族の会話が増えたよ」
そうか~。なんだか、巷でよく聞く中年夫婦のようだ。
そうか、ペットはかわいい。はもちろんであるが、皆で育てる、
皆でかわいがることによって、家族が一人増えることで、
新たなコミュニケーションがはじまるのだ。
「いのちを預かるということは、病気も死も含めて、だから
大変だけど、がんばってね」
と声をかける。
両親の世話から解放されたこともあってか、新しいステージに
向かう妹。癒しの存在が誕生して、良かった。
しかし、動物を〇十万で売買する。これが当たり前の世の中になって
いることには改めてビックリだ。
自分は今のところ、買う(飼う)予定はなし。
人間という動物同士のコミュニケーションを満喫するとしよう。