受験という経験を活かす。

その当時は、共通一次、二次という名称であった、大学入試試験。
とにかく実家から出たいという思いだけ、正直、勉強はまったく
していなかった。塾も行くこともなく、いい加減なわが受験時代。
ただ、「受験生」という窮屈な時間から逃げるため、入試費用稼ぎのため、
バイトもした。ピアノはある程度続けたが、受験勉強はお恥ずかしい限り。
家庭によっては、親も必死。入るために、入ったあとも、お受験は親に大きな
負担をかける。それもあり得ないと思っていた。

大学に入ることで、人生が約束されるかのごとく、大学入試に熱心になる。
アメリカのように、入ることよりも、出ることの方が難しい方が、本当の意味が
あると思うが・・。
とにかくいろんな雑念多き、わが受験期は、結局、それなりの結果にしかならず、
ニッチな道を進むきっかけとなった。

あれから40年。今となれば、あんな窮屈な受験は二度としたくないという思いと、
もっと勉強しておけば、違う道、違う人生になっていただろうか?と思う。
でも、結果、この人生が気に入っている。

あの緊張感は、かなりのストレスだ。
今日二日目の試験に向かう受験生。そして送り出すご家族。
この寒さの厳しさに加え、コロナへの不安のなか、さらに津波の心配など。
ざわつく環境のなか、実力を発揮するには頭脳だけでなく、
強靭な精神力が必要だ。
二度と経験したくないが、結果はともかく、そのプロセスを経験したことは
人生に必ずいい結果をもたらすと思う。

残念なことに、昨日、大変不幸な事件が起こってしまい、
受験生への影響がさらに気になる。
また、受験ひとつで人生を狂わせることの不幸も心が痛む。
あとで振り返れば、それは人生のプロセスのひとつで、貴重な経験
としていい思い出になるはず。

もちろん、今は目の前の本番を
悔いないようにがんばってほしい。
私たちの時代より、不安な要素が多い全国の受験生に、
心からエールを送りたい!!
美味しいばんごはんが、待ってるよ!

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク