子どものころから可愛がってもらった叔母は私が小学校一年の秋、急死。
その後、その夫であるおじさんは、再婚。その夫妻と付かず離れず半世紀近い
おつきあいが続いている。おじさんはもう米寿を迎えられたようだ。
随分前から、耳が遠くなり、それでも私のライブには夫婦で足を運び、
応援してくれた。聞こえない分、じっと私を見守ってくれている姿は印象深い。
働き者で、よく食べ、よく動く。そんな夫妻。子どもはいないが、
夫婦仲良く、楽しく過ごしておられた。
そんなおじさんも、さすがに手足が弱ってきて、床に臥す日も増えてきて
外出も難しくなってきた。ライブや、父母の葬儀には、叔母さんが代表で
参加してくださった。
久しぶりに新春ライブのご案内のため、電話をかけてみる。
元気なおばさんの声が聞こえてきた。
「おじさん、いかがですか?」
「まあ、年やで。仕方ないねえ。もう寝てばっかり。
これから、お風呂に入れようと思って」
へ?おばさん、おじさんの入浴介助もされているんだ!
「デイサービスとか外に行くのもねえ。コロナもあるし。」
感染の可能性がある外よりも、家で安全に介護をする。自分がしんどいのに
その選択をされている叔母に頭が下がる。
人間は、年齢とともに孤独になり、いずれ一人で死んでいく。
それまでの間、出来る限り、孤独にならないように、夫婦で寄り添い、助け合う。それができるのは、本当に素晴らしいことと思う。
叔母さんにとっては、旦那さんの介護が毎日の日課、仕事である。
「まあ、90歳ぐらいまではがんばってほしいなと思ってるよ。でも私ももう年やしね。」
老々介護の例は増えていると思う。
これからもますます・・・。
孤独の手前はできる限り、長い方がいい。
叔父叔母は、とても素敵な夫婦だと思う。そう、理想のカタチ。
夫婦水入らずで、いい年越しをしていただきたい。