母が亡くなってから、生前親しくして頂いた方々との交流を
切らさないように心がけている。
母がいなくて寂しいと思ってくださる方、とくに家族のように
仲良くしていただいた方たちには、何かあれば声をかけたり
差し入れをしたりしている。
まるで、母がその方にしてきたことの一部を継承している
という感じだ。
「あ、おばさん、お元気?
ちょっと長崎からカステラ送ってきたので、食べます?」
「あ、おばちゃん、今いいですか?
弟さん日本酒飲まれる?いやー、新潟からお酒たくさん送って
きたから、飲まれるならもっていこうと思って」
と、こんな感じだ。
よく考えたら、このおばちゃんたちは、ほとんどが私の同級生の親。
親の友達とは、まさに、子育てしながら 半世紀以上のおつきあいを
してきた関係。子どもの成長とともに、子育て仲間から友人へ発展。
助け合い、支え合う関係になってきた。
そんなことで、母の旅立ち後、
同級生のお母さまに、なぜか、私が親しくさせていただいている。
母の交友関係は大切にしたい。
母の代わりに、おばちゃんたちには元気に長生きしてほしい。
「あ、よかったら、ご飯食べにいこうか」
と思わず誘われ、誰の友達?と思えてくるほど、ちょっとボケも
入っているかもしれないが、微笑ましく、ありがたい。
母の存在、思い出を媒介として、新たなお友達が増えつつある。
そして、このようなやりとりをするなかで、おばちゃんたちは
母を忘れず、そして元気にいてくださる。
「お母さんの代わりはできないけど、たまに声かけさせて
もらいますね」
そんな風にお伝えしている今日このごろ。
本当に思議なことではあるが、
母がいなくなったあと、1年前まで想像もしなかった、
こんな新たな関係が生まれつつある。
「お願いだから、お母さんの分まで元気に長生きしてね」
別れる時には、いつもそんな言葉をかけている。