とにかくアグレッシブな知人がいる。
ある国の大衆文化の研究家でもあり、歌手でもあり・・・メディアにも出演された時代もあり、本をかいたり、大学で講座をされたり・・・とにかく、個性的で活動的で、情熱のかたまりだ!とその生きざまを尊敬していた。
とにかく、勉強熱心な方という印象であった。
20代の頃から知っていた。当時、会社員をしていた私は彼女のように活動できなかったが、独立してからは、フリーで仕事をするという立場で共通点ができた。
ライブにお互いに行きあい、刺激を交換。
私のオリジナル曲をご自身のライブで歌いたいとおっしゃっていただけたことは、うれしかった。(楽譜を渡せていないため、まだ実現していないが)
でも、ひとまわり以上も上の先輩で、そんなに気軽に話せるとは思っていなかったコロナ前。
ちょっと遠くから応援しながら、応援されていた距離感で、しばらくご無沙汰。コロナが影響していた。
この2年の間、ライブの案内なども送られず、ネットでの情報更新もなく、最近の活動の様子がまったく見えず、心配になっていた。
お元気なんだろうか?どうされているのだろう?
なんどか思い出し、確認しないではいられなくなって、ついにその事務所に電話をしてみる。恐る恐る・・・。誰か電話に出てくれるだろうか・・・。
初めての電話。これまではずっとメールでのやりとりのみ・・・。
最初、スタッフらしき人が出たあと、電話口にご本人が出た。
その瞬間、ほっとした。よかった。
それから、彼女は話し出した。最初はゆっくりとした口調であった。
もしかしたら、コロナで誰かと話すという機会が減っているのかもしれない。
と察知した。
その後、いかにコロナのなか、演奏活動を積極的にできず、自粛し続けてきたか。今も新幹線は乗らないと決めているとのことなど・・。
そして、この間、仕事に求められることも変わってきて、元に戻れない、
時代が変わってきたということを痛感した。
リモート対応ということも、なかなかむつかしい・・・。
などなど、とにかく久しぶりにお話をお聞きした。
最初は、口数が少なかったが、そのうちいつものライブのトークのごとく、
元気にいっぱい話を続けられた。ときに笑い、ときにしんみりしながら・・。
契約しているお店でのライブでは、お客様が感染してはいけない。と気にしながらやっておられるようで、おそらく普段どおりのパワーも出せないまま・・の複雑な状態なのだろう。
でも、電話だと遠慮なしに話せる。
ということで、コロナでリモートではなく、なんと1時間の長電話になった。
オンライン世代でなければ、電話コミュニケーションは確かに有効だ。
こんな長電話。もしかしたら、中学生以来かも?もちろん時に仕事でどうしても
の長電話は稀にあるが、それでも、こんなに長く話した、聞いた記憶はない。
お互いの連絡先を再確認して、元気に電話を切る。
「また、いつか安心してお会いできる日に、会いに行きますね!」
そう、そんな日が来るために、今もまだ我慢、自粛しなければならないのだ。
と、そう思っている人は少なくなっているかも?
彼女は、医療崩壊を目の当たりにしながら、深刻な状況を理解しながら、
静かに忍び、生きているおひとりだ。
本当に、コロナを甘く見てはいけないと、その生活ぶりから、真面目な様子が
伝わり、背筋が伸びる。
昭和なコミュニケーションはときにいい。
顔を想像しながらの会話もいい。
昔は、それだけだったのに。
今は、世界中で、想像を要することが減った分、
創造も乏しくなっているかも。
決して良いことではない。
電話をきって、すっかり距離が縮まった。
お元気で、ほんとうに良かった。