鎧を脱いでも、あら素敵!

定年退職された方と、仕事では関わりが薄くなっても、個人的に気になる方とは、少し時間をおいてから、「お久しぶり~」と言って再会するのが良い。半年ぐらいしてから、お会いすると、なんだかその方がいい意味で変化されていることに気づく。
以前の立場、建前、肩書きのため 、ある意味肩に力が入っていた時代と打って変わり、にこにこ笑顔で「いやー、ぷーたろうですわ。」と言いながら、今の生活を楽しんでおられることが透けて見える。家事も分担、親の介護もしながら、そして夫婦でお茶を飲む、ちょっとした時間ができたときには小旅行・・「ほんとはさ、退職したら世界旅行したいと思っていたんだけどね、親がこうだからね・・、人生は予定どおりいかないもんだね。でも、このタイミングで介護ということである意味、良かったと本当に思っているんだ・・」と語ってくださる。
肩書きがあったときは、いかに我慢をし、せねばならぬこと、言わねばならぬことに時には無理をされていたか。それがオトコの仕事っちゅうもんよ~ということだろう。40年もよくがんばられたと、心から尊敬する。
短い2時間の再会であったが、なんだか前とはまた少し違っていい感じ。その方が一人の人として、自然体に見えたことがとても心地よかった。最後、ふっと立った姿を見たら、おなかもへっこんでいた。そう、毎日毎日会食、接待のかつての生活、お腹も頭も満腹時代をお過ごしだったのだ。
軽やかに、自然体に。鎧兜を脱いだ、人は素敵だ。戦ってきた人だからこその魅力である。
どうぞ、末永くお元気に。次なるマイライフをゆったりお進みください。と思いながら、駅の改札で握手を交わし、別れた。

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