組織の上に立つ人に憧れる人も多いと思うが、組織の頂点に立つ人は、孤独でもある。みんなその組織でうまく生きていくために、上に向いてはいいことだけを言い、言いづらいことは言わない。いつの間にか裸の王様になってしまう人だって少なくない。
組織だけではない、年齢を重ねていくと、周りに年長者や、身内のような存在がいないと、本当のことを言ってくれないことがある。
いくつになっても、言われないと気づかない、気づけないこともあるようだ。
仕事でかかわる、お世話になっている方に、ちょっと辛口の言いづらい提案をした。ちょっと勇気が要った。口頭で言うのはちょっときちんと伝わらないかと思い、手紙にして送った。
そしてその次会ったときに「あのー、手紙届きましたか?失礼なこと書いてすみませんでした・・」と切り出すと、「いやいや、いただきまして、涙が出るほどありがたかった。この年になると誰も言ってくれる人がいないので・・」とおっしゃった。
そうか~。正面から向き合い、言いづらいことを言う。それはリスクも背負う行動であるが、それをあえてする。それは相手のためということだけでなく、自分のためでもある。言わねばならぬ、ほってはおけぬ。このままじゃ、いけない。その気持ちが正面切っての提言になることもある。
偉くなると、偉くみえるとさびしいものだ。偉くなくていいから、いろんな人が本当のことを言ってくれるのがいい。
いつも耳の痛いことも、うれしいこともいろんなことが聴こえてくる。身近な人は本当に辛口だ。ありがたい。
言われるうちが華。言われなくなったらおしまい。わが身を振り返り、謙虚に。そして、大切な人には適切に勇気をもってお伝えしよう。
言ってくれる人がいる幸せ。
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