懐かしのはくたか、期待のはくたか。

3月に上越方面へ出張した際に、最後に乗った特急はくたか号。駅のホームで写真を撮っていた人たちの姿が今も焼き付いている。
北陸と越後湯沢を結んだ夢の急行は、最新の新幹線となり、その名はそのまま受け継がれた。
今年度初の上越出張は、この新「はくたか」号だ。東京から群馬、長野、そして新潟へ入るという不思議なルート。それが一本で来ているのが不思議な感覚。開通初日に乗るために予約が取れず、自由席も行列になった・・あの日から2か月。ちょっと落ち着きを見せたとはいえ、
新幹線開通を待っていた地域の方々にとっては、今も興味は尽きず・・。まだ乗ったことがないという地元の人に「新幹線、今日乗られました?オレ、まだ乗ってないんですけど」「はい、乗りましたよ。さすが新車はキレイですわ。なんといっても各席に電源が付いているのがうれしいのと、なんとトイレがウォシュレットで、びっくりしました」と感想を言うと、なんだか自分の新幹線が褒められたように、にこにこされるのが印象的。その町の役所の人の名刺には、新幹線の絵が必ず入っている。新しい駅には降り立つ客の出向え人も多く、にぎやかでなんだか華やかである。売店も、カフェも、みどりの窓口もホームも・・・ぜーんぶ、おニュー。当たり前だが、新しいというのはすごいものだ。乗換がないというのは確かに便利だ。これから上越妙高駅という駅をよく利用するのだ。と思ったとたん、つい最近まで利用しまくっていた直江津の駅のことが思い出されて何ともいえない気持ちにもなる。駅近くのヨーカドーの売り上げにも影響が出ているそうだし、駅前のホテルもそうだろう。そして時々お世話になった、駅の立ち食いソバにキオスク・・・。ああ、お客さんが半減どころか・・・。お店で働いている人たちの顔が浮かんでくるのだ。駅弁売りのお兄さんも・・。この事態は予想されていたことであろうが・・。過去の存在になった電車。でも駅は今も残っている。近いうちに、直江津駅にまた寄らねば・・。時代の移ろいは夢も運ぶが、寂しさも同時に運ぶ・・。越後の田んぼを借景に走ったはくたか号が、懐かしい・・。

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