戻ってはいけない、浮かれてはいけない。

久しぶりの新潟出張。新幹線の利用者も増えてきた。とくに週末は人の行き来が増える。出張もおかげで増えてきた。コロナでオンラインの活用も学んだが、やっぱり リアルなコミュニケーションは重要だ。
移動の電車。できれば、隣の席に人が来ないように・・と勝手に願い、三人掛けの通路側を予約する。もし誰か来ても、その人が窓側であれば、真ん中は空席で、密にならない。
そう思って、長岡駅から東京行きの列車に乗り込んだら、すでに私の横の席が二席とも埋まっていた。始発駅新潟からの乗車だ。二人はすでに会話をしている。知り合い同士、仕事仲間、カップルかもしれない。ちょっとショック。
でも、まあ、仕方ない。
と思い、「失礼します」と言い、C席に座った。
隣の方も、私が来てちょっと迷惑だっただろう。
そこへ、ドリンクやおつまみを乗せたワゴンが近づいてきて、そのカップルは
なんと、ビールとおつまみを買い始めた。
そして、私に
「すみませんね。静かにやりますんで」と礼儀正しく言い、マスクを外して
乾杯しはじめた。私は笑顔で、でもたまらなくなり、たまたま通路を挟んだ
隣の二席が空いていたため、まずは避難。
そこへ、車掌さんが通ったため、目で事情を伝え、他の席への移動をお願いし、
無事、密にならない席を確保できた。静かな乾杯をしていたカップルに
「移動しますので、ごゆっくりどうぞ」と言って、移動した。

週末の町の賑わいが半端ない。コロナで大変な思いをされていた飲食店が
活気を取り戻している。
近所の立ち飲み屋は人気店であるが、この1年半は本当に気の毒であった。
でも、この週末は開店時間から、行列だ。
こんなに並ぶのか、そんなに飲みたかったのか・・。そんなに?

近所に最近オープンしたSCにも、多くの人が足を運ぶ。新店のことを
テレビで放映するため週末は余計に混雑する。
他に行くところがないのか、新しいところ、新しいものが好きな名古屋人の気質なのか、とにかく人の波が途切れず、以前とは違う様相になったご近所エリア。

ビジネスでは、接待・会食も増えつつあり、出張先で二次会に出向く人も増えているそうだ。
解放感。もういいでしょ、という感じだろうか。

一方、コロナ禍でのさまざまなことを思い出す。
私にとっては、この時期に両親が続いて旅立ったこと・・・。コロナとの戦いはそれなりにあった。であるが、コロナで家族を亡くした方、葬儀も満足にできず
送ることすらできなかった方たちのことを想うと、心が痛い。
仕事をなくした方、店をたたんだ方・・・・いろんな方がおられると思う。
そんなことを想うと、今の状況は手放しで喜べないし、何よりも、今、まだ
コロナは終息していないということ。感染拡大する可能性は大いにある。

世界に目を向け、油断せず、そしてこの一年半に学んだことを忘れず、
しっかりと前に進んでいきたい。
前とは、パンデミックを経験した世界のなかで、
これから、どう生きていくかということだ。
何も戻っていないし、戻らないし、戻れない。
一方、気を抜けばまた自粛生活に逆戻り。
これは避けなければならない。持続可能なことを探し、行動しなければ。
今がよければ、自分さえよければ・・は避けたい。

ちょっと浮かれた町の賑わいを見ながら、人混みを避けて歩く。
クリスマスソングが流れ、何とも言えない気持ちになる・・・。






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