母のときと同様、父の四十九日まで、何度かお寺に伺う。
亡くなってから納骨までの法要に関することを一通り体験したことが記憶に新しく、今度は何かとスムーズというか、段取りがいいといいうか・・である。
人間、不思議なものだ。経験すると慣れが生じる。今回はそのことで、
精神的に負担が少ない一面もある。
初七日後、初めてお寺に伺う。
実家は誰も住んでいないため、お骨はお寺にしばらく預かっていただいている。
これも母のときと同じ。
お寺の本堂に入ると、お参りの用意がされていた。
父の遺影と遺骨と本名が書かれた位牌。そして、父の写真の横に母の遺影も・・・。
お寺に預けてあったため、せっかくなので、と一緒に出してもらった。
夫婦並んで、私と妹の方を見ている。
この位置関係は、これまでなかった。
生きているときは、皆同じ方向を向いていたという感じ。
今は、父と母は、二人並んで、私たちと向き合っている。という構図。
ちょっと不思議な感覚を抱きながら、
でも、二人一緒ということでの安心感はある。
父は、一歩先に出発した母にもう追いついたのかな・・とも。
お経の声を聴きながら、そんなことをずっと考えていた。
二人並んで。なんともいえない。寂しくも安堵。悲しくも幸せ。