美しいディクレッシェンドを。

クレッシェンド(crescendo)とは、音楽用語。イタリア語である。
私が知る限りでは、クラシック音楽でよく使われてきた強弱記号。
だんだん強くという意味で、音楽を盛り上げるときに用いられる。
楽譜では、五線紙の上にcresc.と書かれたり<  の記号で表記される。
ああ、ここから盛り上げるんだな~。長く盛り上げるときこのマークは
長く書かれる。
その曲の抑揚を豊かにし、また、それがあることで作曲家の意図もよくわかる。
同じ音符が並んでいても、それがあるかないかで、まったく表情が変わる。

一方、ディクレッシェンド (decrescendo)は逆に、だんだん弱くと言う意味。
こちら>の記号か、decresc と表現されるほか、ディミヌエンド(こちらはだんだん少なく) dim.と記載されることも多いが、クレッシェンドの対比としては、ディクレッシェンドがわかりやすく、一般にも馴染がある。

さて、人間の一生に、このクレッシェンド、ディクレッシェンをあてはめる。

クレッシェンドは、どんどん成長していく過程に当てはまる。
青春時代、あるいは仕事に燃える中年期も、まだまだクレッシェンドなのかも
しれない。もっといえば、年齢は年齢に関係なく、夢が膨らみ続ける過程も
クレッシェンドだろう。
もしくは、情熱的な恋愛をしている上り坂?のときや怒りがこみあげ爆発するときも、クレッシェンドな状態かもしれない。
人生のクレッシェンドには、生きる力を感じる。

そして、一生を終えるときは、ディクレッシェンド・・・。

だんだん弱く、小さくなって・・・・やがて・・・静かに曲が終わる。

ここをいかに長く、そして美しく・・。

今、とても大切にしたいと思う。

人生はクレッシェンドとディクレッシェンドが交互に現れる交響曲。
多くの一生は、ディクレッシェンドで締めくくられる。
美しいディクレッシェンド。とてもいい言葉だと思う。
笑顔で、やさしい顔で・・・。お互い感謝をして・・。


カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク