「経験」も「若さ」も。

この1年半、いろんな福祉施設を訪ねている。
必要に迫られて・・ではあるが、勉強のためにも、なるべく
現地に出向き、現場を見るようにしている。
こういう世界があったのだ・・。そこで働く人によると、
この数年、施設は急増しているようだ。介護サービスの市場は競争が
激化している。

2年前までは、まったくの他人事であったこの介護の世界。
要介護、 負担割合、ケアマネ、ヘルバー、老健、特養・・。
今となればお恥ずかしいが、全部、「それって、何のこと?」
という感じで、まったくの他人事であった。
この世界は、自分の身に降りかかってはじめて、
突然、重要で身近な現実として目の前に出現する。

その福祉施設。
いろんな所といっても、この間 数件ほどであるが、見学に行き、
話しをきいた。ハードだけでなく、雰囲気や応対の様子も見ることにしている。

若い方ががんばっておられる施設、中高年の方ががんばっておられる施設。
さまざまだ。

若い人は元気がある。きっとお年寄りも若い人を見ていると元気になれる。
という効果もあるだろう。

でも、相談したいときには、若い人には正直相談しづらい。
人生経験が少ない人に、わかるのかな?と思ってしまう。
そんなときには、仕事のキャリアをたずねることにしている。
その道のプロ、それに近い人であれば、こちらも助かる。
経験が少ないと、その人に頼ることは難しく、上司と一緒でないと不安になる。

一方、年配の方がお世話されていると、安心感がある。
経験が豊富な方には、なぜか相談もしやすい。
対応の仕方も慣れておられるのも好感がもてる。
でも、体力も必要で、とても大変だな、と申し訳なく思ってしまう。

さらに、この世界はマニュアルどおりではよろしくない。
被介護者や家族にはそれぞれの事情があるため、一般論ではすまないことがある。
また、なんといっても、人の命に係わる問題であるため、
あまり軽い接客、応対は似合わない。

どんな仕事も経験があった方が良いと思う。
でも、いつまでもやれない仕事も多く、組織では若い世代に引き継いでいかねば
ならない。
次の時代を見据えて、今、若い人たちが自信をもってこの仕事を続けてくれるように、被介護者やその家族は、働くみなさんに敬意を表し、関わるべきと思う。

年寄りになれば、若さがまぶしいと言い、
若い人には経験が必要だ。

コロナに向かう医療関係者の人と同じように、
老人施設で活躍されている介護関係者の方のことを、
もっと感謝しなければ・・・。
本当に、本当にありがとうございます!



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