あれから20年、そして・・・。

今、自分の手もとにあるこれらの写真。20年前の今日、あの同時多発テロで倒壊したNYワールドトレードセンターの在りし日のものだ。モノクロは私自身が20代のときに撮影したもの。あとはWTCの近所にある、教会の絵ハガキ。
ウォール街にそびえるこの高層ビルは、まさにアメリカの繁栄のシンボルであった。それが、20年前の今日、衝撃の終わりを迎えることになった。
あの様子は、世界中の誰もが瞬間、目を疑い、そして生涯忘れられない歴史的な出来事となった。

写真とともに映っているのは、20年前の今日、NYに飛ぶことができず、そのままアラスカのフェアバンクスへ飛んだ、その記念としてのエスキモーと犬のミニチュア人形。あの日以来、20年間、私と9月11日を結びつけるリアルな証拠として、存在している。

最近、これらを手もとにおいて、改めて眺め、この20年をふりかえっている。
「テロ」の名のもとに、戦争が繰り返されている。
世界的な分断が始まった日だったともいえるだろう。

20年前と今。アフガニスタンのことが頭をよぎる。
結局、自分のことばかり。自国のことばかり。
権力者の欲望と、一般市民への影響。
どれだけ罪のない、多くの人々が命を落としてきただろう。
自由を奪われてきただろう。胸が痛む。

その事件にニアミスした自分はこの時、被害を受けなかった。
アラスカで足止めをくらいながらも、貴重な出会いと経験をして、
無事に帰国できた。多くの学びもあった。

おかげさまで、今も元気に生きている。
生きている者の責任を感じ、犠牲になった方々のためにできることを
しなければと思う。
小さなことでもいい。
まずは、この日を忘れないでいる。この日の意味を問い続ける。

20年経とうが、30年経とうが、日本でいえば、原爆と同じ。
忘れてはならない。
でも、それだからといって、報復をしては、何の解決にもならない。

改めて、20年前の今日の自分のこと、周囲のことを思い出し、
思いを巡らしたいと思う。

犠牲になった人々への祈りを込めて・・・。

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