父の施設、母のお墓、実家を巡る地元ツアーは最近の習慣。
その帰り道に撮った1枚。
もう夕暮れだ。これから、どんどん日が短くなっていくだろう。
日中はまだ暑さも厳しいが、それでも空は秋。うろこ雲が空いっぱいに
広がり、夕日が差し込んで、ちょっと幻想的でもある。
私は秋に向かうこの季節の空が好きだ。
この写真の奥に父が住む施設がある。
父の部屋からも窓を開けたら、同じ空が広がるはずだ。
見ているといいな。
コロナでまた何か月も顔を見れなくなってしまっている。
せっかくワクチンを打ったのに、緊急事態宣言下では、面会も禁止のままだ。
父が、せめて同じこの空を見てくれていたら・・・。と思い、足を止めた。
施設を訪ねるたびに、ひまわりの花と手紙を持参した、この夏。
手紙も、POP UP式のものや、食べ物の絵が描いてあるものなど、
見て楽しく、また食欲が少しでも湧くようなものを考えた。
プリンや やわらかいお菓子、好きな魚のカンヅメを
差し入れしていた何か月前かが懐かしく、
もう今は、そんな差し入れも必要なくなってしまった。
だから、今は、せめて・・・花と手紙。
「お父さんへ」とまだ書いて、出せる相手がいるだけ、幸せだ。
そんなことを思いながら、今、父と同じ空の下にいることをかみしめながら
うろこ雲に見守られながら、帰り道を急ぐ。
「お父さん、またね、またね。」
生きていているから、言える言葉。
同じ空のもとで、1日1日・・・生きてほしい。と願いを込めて。
同じ空を見ていて
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