「真のジャーナリスト」という職業が好きだ。
真実を伝える仕事。自らが現地に赴き、綿密な取材を重ね、世界に知らせるべきことをきちんと伝える。ときに、命を懸けて・・ということもある。
もちろん、自己責任が伴う、大変重い仕事だ。
真実を、言葉や文字で伝える人もいれば、写真で伝える人もいる。
一方、マスコミは権力の監視をするのが、もともとの役割。
世の中の流れをしっかり見据え、正しき方向に向かっているかを冷静に見極めるのがお仕事。
でも、残念ながら、現代のとくに日本社会には、尊敬できるマスコミ人というのは少ない。
むしろ、組織から独立し、まさにジャーナリズムの精神をもって世界に出ている人を、心から尊敬する。
東京を離れる直前に知り、それ以来、ずっと国際報道について学んでいる講座があり、今もその講師の講義を受講している。
講師は、尊敬するジャーナリストのひとり。横村出さん。偶然にも新潟出身の方だ。もともと新聞記者であるため、文章表現はもちろんパーフェクトでよどみがいが、語り口も静かではあるが、信念を語る表情がとても魅力的。
この方を見て、真のジャーナリストとは何かを考えさせられるようになった。
ロシアでの記者キャリアが長く、この周辺での取材経験も豊富なこの横村氏から、「地政学的なモノの見方」も学んだ。世界とはこのように動いているのだ。これまで意識しなかった切り口を知った。世界をより俯瞰してみる必要があると思うようにもなった。
さて、今回受講中の講義は、あの同時多発テロから20年ということでの激動の世の中を見るという講義。なんというタイミング。まさに、アフガニスタンが今、激動の中にある。横村氏は、20年前のこのテロ後にアフガニスタンに取材に出向かれており、そのときの様子を生々しく、伝え、これまで知らされていなかた真実にも言及された。同行されたプロカメラマンの現地の写真も見せていただき、無残な現場の様子を垣間見た。平和な日本とは真逆な世界・・・。
その20年前と、今。何が変わり、変わらないのか。
講義を通じ、世界をちゃんと見ることの必要性について今回も学んでいる。
横村さんいわく、戦場での取材経験から学ぶ「取材のポイント」は3つ。
まずは現場を見る(データをとる、エビデンスを集める)、そして相対化する(客観視する)そして、主観で考える~自分ならどうするか~。
取材には客観と主観の両方が大切である。ということ。
そしてそのために、現場を見るということ。
今、行かねばならぬ。見なければ、伝えねばならぬ。
この使命感こそが、ジャーナリズムスピリットであろう。
もちろん、戦場に限らず、もしかしたら他の取材先であっても、同じことかもしれない。
現場を見る知る、相対化する、自分ならどうする?
全ての仕事に生かせるはずだ。
今、20年前のNYのことを思い出し、20年間の世界の動きをふりかえり、
社会は前進しているのか、本当にいい方向にいっているのか・・・
と自分なりに見つめ直す。
世界を多く見てきたジャーナリストから、学ぶことはやはり多く、いつも衝撃亭かつ、新鮮だ。
コロナの影響で、講師の熱い話を直接聴けないことは残念であるが、オンラインであることでのメリットも大きい。
真のジャーナリスト。受信者ではなく、発信者として生きるということ。
形は違えど、自分の根底にその想いはあるから、余計に共感、尊敬する。
9月11日に向けて、これを機会に、世界を見つめ直してみたい。