過去はみんな、笑い話に。

笑って深刻な話人ができる人は、大物だ。
最近、そんなことを素直に思える人に出会った。
その人と話していると、すぐ笑いが生まれる。
不思議なことに、楽しくなってくる。
その人は、周囲がそうなるように、日ごろから意識して
会話の間に、笑いを挟んでくるのかもしれない。
その笑い声も、決して不快ではなく、こちらもつられてしまう
いい笑いだ。

真面目に仕事の話をして、一区切り。
その後、その方の生い立ちなどを、なりゆきでそんな話を
聞かせていただくことになった。
笑いながらも、話されているその内容は、結構ヘビーだ。
病気のこと、家族との問題…。笑って済まない、ここで笑っては
いけない話題であるのに、
淡々と話され、そして笑いを挟む。客観的に話しているからかもしれない。
「今、ここ笑うところじゃないですよね。そんなご苦労されたんですね・・・」
と言うと、その人は、
「いや、過去はもうみんな笑い話ですから、いいんですよ」との返事。

そうか。過去はみんな笑い話なのだ。そうできるのだ。
どんなにつらくても、いずれはみんな笑い話になる。

この方は、本当に大物だと思う。
いつも笑っている人ほど、実は大きな荷物を背負っているのだ。
背負っているところを見せない。
そこがカッコイイ。
私もそれを目指そうと思う。
眉間にしわより、目を細めてほほ笑む。
こっちが断然、幸せだ。

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