休みよりお客様。

美容院の予約。実は美容院も、歯医者も地元ではなく、長らく京都、東京の行きつけを利用している。
近くに技術、センス、サービス含め、気に入るところがあればよいが、今のところ、東京や京都で出会ったお店の方が自分の希望にマッチしている感覚。

仕事の空き時間を利用して、美容院にと思い、予約をし、いつもの担当者を指名する。
「あいにく、その日は、〇〇はお休みいただいていまして~」と言われ、そりゃそうだ、そういう日もあるだろう。代行でやってくださるそうだから、ま、ちょっとした毛染めぐらいいいか。他の日に変更も難しい・・・と思いながらも、いつもの担当者がいないとなると、ちょっと不安な気持ちも入り混じる。

当日、予約の時間にそんな気持ちもありながら、お店に入る。そして改めて
「今日は〇〇さんお休みなので、他の方にやっていただけるんですよね?」
と尋ねると、
「いえ、〇〇は、今日休みですけど、その時間だけ出てくるそうです。大丈夫ですよ。もうしばらくお待ちくださいね」
と受付の人に言われてびっくり。
休みなのに、来てくれる?そんなことがあるのか?

すると、いつもの担当者の人が用意して目の前に現れる。
「お待たせしました~。いらっしゃいませ」
「今日、お休みじゃないんですか?」
「いえいえ。いいんです。コロナで行くところもないし・・・」
コロナでなかなか会えなかったが、いつもの笑顔に会うことができ、
ほっとする。そして、いつものようにお願いする。安心して任せられる。

美容師さんでも、スタイリストとなると、指名するお客が多く、そこが
実はお店にとっても、スタイリストにとっても重要となる。
そのお店では、せっかく指名していただけるのだから、と、
休みにその時間だけ出勤してくる人も多いときいて驚く。
確かに、指名されなくなったら、その美容師もお店にもきつい。

なんだかとてもうれしい時間となった。満足できる仕上がりとも
なり、やはりこの人で良かったと思えた。
「会えて良かった。」「私もお会いできてよかったです」
気が付いたら、次の予約を入れている。
休みより、お客を優先できるなんて、本当にプロだと思った。
それぐらいやらないと、リピーターを作り続けることができない
美容院の競争という現実もあるだろう。
そして、そのスタイリストたちもその仕事が好きでなければ
休みに出てくることもしないだろう。
プロとしての仕事。
まさに、こういうことだ。
休みより、お客さま。

もちろんお店が営業できるからこそ、できることだ。

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