おひとり様コンサート。

5月10日。もともと予定されていた岐阜新聞社のロビーでのコンサートはコロナで中止。その日の午後に、「マーサさん、おひとり様コンサートは終わりましたか?」と一通のメール。先日、書いたブログをきちんと覚えていた方がおられた。そうそう、やらなきゃ!と思いながら、雑事に追われ、時間が経った。
「すいません。今日はちょっと難しくなったので、明日岐阜へ行くので1日遅れでやってきます」と、その方に返事。
そして11日。午後から岐阜での用事が終わって、実家へ向かう。
そして、母と父が用意してくれたピアノの蓋を開け、姿の見えない母に向かって、おひとり様コンサートをはじめる。
母(と父も)にちなんだオリジナル曲を中心に演奏する。
まずは、「ひと・文様」父母の金婚式の祝いにとかいた曲。
そして、2年前に書いた、「イツカサイゴ」。
幼き日の頃を思い出すナレーションとピアノで構成した「まどれーぬ」
ふるさとへの思いを綴った「みず・つち・ひと」
この4曲を弾き歌う。
途中で、歌詞とともにふと母のことが頭をよぎると、うっとなり、涙声になってしまうが、気にせず自然に。なんといっても、おひとり様コンサートだ。

曲の合間に、母が笑って、音楽に合わせて体をゆらしているような感じがした。
ニコニコした顔が浮き出てきた。
そう、いつも私がピアノを弾くとき、歌を歌うとき、どんなにそれまで怒っていても、母は上機嫌になった。

このわずか4曲を歌い終える頃、涙のせいで、目が少し貼れた。

歌は永遠だ。涙もあり。悲しみを浄化し、想いを深める。母への感謝の気持ちがピアノの音色とともに、空に届いていくような気がした。拍手は、ちゃんと聞こえた。

おひとり様コンサート。また続編をしよう。

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