喜怒哀楽から生まれるパワー

社会学者の上野千寿子さんが、NHKの番組での学生からの質問に答えたその一言が、大変印象的であった。

「先生は、どこからそのパワーが湧いてくるのですか?」
男性の学生からの質問だったと思う。

「それは、怒りですね。例えば、最近も・・・・」
と、先日、問題になったオリンピックの元会長を名指しにしながら、、、。と言い放ったのが、とても小気味よく、また怒りは、確かに行動の強い力になると共感した。とにかく聴いていて久しぶりに心地よい、嘘のない言葉で、改めて人生の先輩として、共感はもちろん尊敬に値いする方だと感動した。突き抜けている。さすがだ。怒りは人の背中を押す。

人間には様々な感情があり、また次々と湧いてくるその感情につきあい、時にコントロールしながら生きている。アンガーマネジメントという考え方もあるが、どんな感情もそれぞれつきあい方次第なのかもしれない。

人生は、もちろん喜びや楽しみが多い方がいいが、いつもその感情だけでは生きられない。むしろ悲しみや怒りを乗り越えた時に味わう喜びの方が、より感動的だ。いつも楽しいのもいいけれど、それもきっと飽きるだろう。なんだか、人生がふやけてしまいそうだ。

今 、母のことについて、深い悲しみももちろんあるが、現実的には、「 なんでこんなに!もう!!」と一切の断捨離をせず、人任せにして逝ってしまったある種の無責任さに、怒りも込み上げている。
怒りながら、人の人生の片付けをしているのだ。

この怒りは、今の自分の原動力になっている。
とても行動的になる。さあさあ、ちゃっちゃと片付けるぞー。じっとしていても、うずくまっていても、誰もかわってくれない。さあ、早くやることやって、次は、、、と、とても積極的な自分。怒りながら山積みの段ボールを開封していく。
悲しんでいるだけでは、元気に踏み出せない。誰も代わってくれない。

怒りは人の行動に火をつける。怒りは悪くない。
もちろんそれで終わらせてはいけない。最後はJOYにしたい!達成感を味わいたい。

喜怒哀楽。小さなことに対しても、感情豊かに。
人間らしく、心豊かに生きていこう!

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