母は、本当に物を大切にする人、というか、捨てられない人であった。
どのモノに対しても、思い出がつまっていたのだろう。たとえば、人さまからいただいたお菓子の包装紙や封筒、紙袋。旅行先のパンフレット、旅先で買ったお土産の袋・・・・。もちろん袋だけでなく、各地方のキーホルダーとかレトロなお土産、誰にあげるつもりだった?と思えるグッズまで・・・。とにかく膨大な量で、生前から、この荷物を巡ってもつねに言い合いとなっていた。
「誰がこの荷物、片づけると思ってんの。早く整理して」
「全部捨てるな~。大事なものばっかりなんや。」
と、そう言い続けた母。
コロナで外出できなくなってきて、そろそろ片付けをしなければと思ったら、
何をどうしたらいいのかわからなくなったのか、パニックに・・・。
その1年後に、荷物をそのままおいて逝ってしまった。
今、私と妹が、手分けして母の断捨離を代行している。
大量な段ボールを開封し続けている間は、感傷にひたらず、心を鬼にして
どんどん捨てる。
一つ一つ見始めたら、進めない。
とにかく5月中に。と第一弾を終えようと思っている。
思い出の品とは、本当に人それぞれで、なんでも思い出になるものだ。
そして、写真が大量に出てくる。
これは、まずは捨てない。落ち着いたら、公開して、欲しい方にもらっていただく。写真以外も、使えそうなものをまとめて、チャリティのマルシェをしようか・・・あとで母が関係していた団体へ寄付でもするか・・・。
と勝手に前向きに考え、とにかく時間をみつけて、今は、段ボールの山と格闘。
本当はこの山がなくなると、さみしくなるのだろうと思いつつ、いつかせねばならないことであるから、今、この勢いでやっていく。
荷物と格闘しながら、母の一生は、本当に楽しかったのだと思える。
こんなにいっぱいの思い出とともに、本当にまっとうした。と思えてくる。
荷物の多さへの怒りもなくはないが、ま、仕方ない。
早く終わらせたい気持ちと、終わらせたくない気持ちと・・・。これも葛藤である。