どうせなら、人がやらないこと、やろう。

クライアント企業への企画提案に際し、そのクライアント担当者も、ライバル会社も、絶対考え着かないことを考え、提案したい、形にしようと思う。
これが、企画を生業をするプロの姿勢だと思う。

今回も、新たな挑戦に向かう若きプランナーより、夜になってご相談の電話をいただいた。日が迫るプレゼンに向けて、あれこれアイデアを広げていくうちに、私が以前示した話を思い出し、改めて、詳しく聴きたくなったようだ。
質問に応えながら、それ以外にもあれこれ、ありえない面白いアイデアを連発する。あんなのもある、こんな考え方もある。この表現はどうかな?電話で束の間の企画会議さながら。但し、プランナーは電話の向こうで終始げらげらと笑っている。いいことだ。難しい顔をしていては、楽しい企画は生まれない。
笑いながら、考える。いいヒラメキはそんな瞬間に生まれる。

デジタル社会だからといって、いかにもデジタル技術に寄った提案はどこでもやりそうだ。
デジタル社会だけれども、だからこそ、アナログで人肌を感じる、プチ感動を伝える工夫。お客様は、みなそれを求めているはず。
今だからこそ、その読みは大切だ。
「あ、全然関係ないかもしれないけど、へんな事例もあるよ。あとでネットで見てみて~」
相談される以上、一見、唐突で変な、誰も思いつかない事例も伝えておく。

企画とは、企てること。何もないところから、何かを生み出す仕事。
人まねや、ありきたりのことをやっていては、価値は認められない。
どこまで人がやらないことを、発想できるか。その価値を伝えられるか。

結局は日ごろの引き出しの多さにかかっている。
彼女は、例の防災ドラマ「東京ヘルメット物語」を思い出して、企画に活かせないかと思ったようだ。まさにすでにこのネタが彼女の引き出しに入っていたわけだ。嬉しい限り。

世のなかに不安が多い分、わくわくドキドキ、楽しくて優しい企画を世に送りたい。
愛しき後輩プランナーたちに、そんな思いで仕事に向かってほしいと、心からエールを送る。



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