コロナで甚大なる被害、影響を受けている各業界。
とくに、馬鹿の一つ覚えみたいに時短時短と言われ、その巻き添えになっている飲食業界のみなさんのことを思うと心痛い。
時短だけが解決の道ではないのに・・・本当に腹立たしい。
とにかく、そんななか、がんばってお仕事されている飲食業界の方に今、改めて
エールを送り続けることが大切と思っている。
先日、京都のあるホテルレストランにて、オーダーした前菜の盛り合わせと五目焼きそば。丁寧に丁寧に料理を作り、提供されている手の込んだ料理の出来栄え様を見て、それを作っているシェフと会話がしたくなり、接客係の方を通して、キッチンに声をかけてもらった。
客から呼ばれた・・クレームか?と心配されるといけないので、「おいしい料理を作っていただいたのでお礼を言いたいので、よかったらお会いしたいです」
ということで、登場されたのはシェフ帽が似合う、30代のスーパーバイザー。
名刺をいただいた。クレームを言われるのではないので、安心が漂う表情。
「大変ですね。お客さんも少ないし、仕入れも大変でしょうに、よく考えて丁寧に作られて・・・。感動しました。がんばってくださいね。また来ますので」
とそんな言葉をかけた。
「そう言っていただけると励みになります。SDGsのこともありますので、ちゃんと材料をうまく生かして、無駄の内容に作ることも大切で・・・。材料を提供いただく方とも協力してがんばりたいとお思います。」元気にそんな言葉を返してくださった。
それ以外にも、出かける店では、特に最近、できる限り、スタッフに質問をしたり、感想をいったり、会話を心がけるようにしている。
飲食店だけでなく、小売りの専門店でもそうするようにしている。
一昨日訪問した紅茶の専門店のスタッフに、紅茶のことをいろいろ聞いて十分会話してから、購入した。すると帰り際に、その担当者が「お客様、紫色お好きですか?」と言いながら、彼はこっそり、ズボンのポケットからボールペンを2~3本取り出して見せてくれた。それが紫色であった。仲間ですよ。という合図だったのかもしれない。そして「またぜひおいでください。今日、楽しかったです」と言われてしまった。単なる一人の客なのに、お店の人に楽しかったといわれるとは・・・。
今、売り場に立つ、現場でがんばる人達の仕事を盛り上げていかねばならない。
客数が減っても、そのひとりひとりへの向かい方の濃さ、コミュニケーションレベルを上げていくことで、お客様の満足もももちろん、ESも向上するはずだ。
好きなお店に対して。頑張る店に対して。お客としてもできることがあるはずだ。
以前、マーケティングは関係づくりだという自分の考えをまとめたことがあったが、そこは今も変わらない。
コロナで疲労し、苦労する現場のみなさんを応援できるのはお客しかない。
応援すること、応援しあうこと。
これこそが一番必要なこと。
私にとって好きなお店があることが、人生の豊かさ、心の幸せにつながっている。だから、そのお店がなくならないように、今、自分ができることをしていきたい。
お店の人から「楽しかったです」と言われるのは、不思議な感覚ではあるが、それもあり。「で、あなたの名前は?」彼の名前はしっかり覚えた。
きっとその店にまた行くだろう。
「パリに行かなくても、パリの味が楽しめますよ」そんな言葉も言っていた。
なかなかな接客だ・・・。と時間が経って思い出す。
コロナはマーケティングのあるべき姿を教えてくれている・・・。
ていねいに関係を育みたい。
お気に入りの店に足を運び、声をかけ、言葉を交わす。
きっと、いや、絶対にお互いが元気になれるはず。