「ほんとーに、いろんなことがあったねえ。」

久しぶりに、パートナーのお墓まいりについて行く。風が吹く中、墓石周りをキレイにしながら、花をとりかえつつ、墓碑を見て、ああもうこんなに経つのだ・・・といろんなことを思い出しながら、手を合わせ、この方々も「天空の観覧車」かななどと思いながら、すっきりした気持ちで墓地を出る。その帰り道、パートナーのおばあ様の自宅が近いため、寄ってみる。何年振りかだ。もう95歳だから会えるときに会っておかないと・・という気持ちもあり・・。久しぶりに、突然たずねてきた孫(パートナー)を見て、驚かれる。にもかかわらず笑顔で中に通される。そしてたまたま来ていた従妹さん、同居されているご家族の方たちとの会話が始まる。過去に訪問したときはお留守だったため、久しぶりの再会となりおばあ様も、叔母様も大喜びのご様子。わいわいといろんな話を家族でされているのを、見聞きする。突然の家族会のようだ。おばあさまには大きなサプライズだったようだ。親族のいろんな人のいろんな時代のいろんな話題が、断片的に出てくることで、今は亡き人もいる人も、一体となって会話を楽しんでいるような光景・・。その会話会話のはざまに、そのおばあ様がみんなが話しているのを見て、にこにこしながら「ほんとうに、いろんなことがあったねえ。」と何度も何度も言われるのが大変印象的だった。まもなくひ孫も出まれるようであるが、孫、娘たちに囲まれて、約1世紀の人生を走馬灯のように思い出されていたことだろう。
関東大震災も戦争も体験され、女が戦後いかに生き延びるかで米軍に食糧をおさめる仕事にかかわった・・・とそんな時代もあったもんだ・・・、亡くなった旦那さま(だんなさま)のことも懐かしく語られて・・。なんでもそのお方、上越は高田のご出身ともお聴きし、いろんな縁も感じたり・・。
頭もしっかりされて、すごいおばあさま。先日長崎でお会いした97歳のおばあさまのことも脳裏をよぎった。
長いこと生きていると、本当に「いろんなこと」があったんでしょうね。まだ半世紀しか生きていない私たちが、ちょっとしたことで右往左往していることも、あとになれば「いろんなこと」に凝縮されてしまうのだろう。
なんだかいいことをしたようなそんな週末。お墓まいりか。私はお墓は要らないけれど、家族とは何かを考えるにいい気持ちの1日を頂いた気がした。
みなさん、どうぞ、お元気に長生きしていただきたい。

カテゴリー: Essay (Word) パーマリンク