1週間前。突然、病院から呼ばれて、とにかく駆け込んで、冷静に冷静にと
言い聞かせながら、病院の裏口から、斎場の安置室まで乗車した車。
ここから、わが人生の超非日常が始まった。
これまで無縁であった、葬儀社の方とのやりとりが始まった。
事前に勉強しておこうと思いつつも、縁起でもないと思い、
いざとなれば何とかなる。
とそのままにしていたが、こんな急に必要になるとは・・。
それでも、さすが葬儀社の方は常に突然の事態に対応されているので
落ち着いて、葬儀に関する全てのことを丁寧に教えてくださって、
手配してくださった。
この仕事は最初の電話の応対こそが、大切であることを知った。
昔、東京で、高級な家族葬儀場の見学に行ったことはあったが、それはあくまでも他人事であり、ビジネス例であり、それ以来葬儀業界の方に会ったことはなかった。
今回、葬祭ディレクターというプロの下、すべての段取りがなされた。
母の訃報から出会った主な人たち・・・。病院の先生、看護士さん、特別車両の運転士さん、花屋さん、納棺師さん、そしてお寺さん(これは自分で手配)、火葬場で働く人たち、そして、この葬祭ディレクターと現場のスタッフたち・・。
とくに納棺師の仕事と、火葬場での収骨をされる方の仕事ぶりは、人生初の経験として、悲しみを越えて、関心をもって、そのお仕事ぶりを拝見している自分がいた。また、お寺さまの御経には声の響きや、お話しの内容を拝聴しながら、
お経は此岸と彼岸をつなぐコミュニケーションツールなのかも・・と思ったりしていた。などなど、これまで、考えたことがないことに多く出会えた。
また個別に書くことがあるかもしれないが、とにかく、1週間前まで自分が住んでいた世界からさらに世界が広がった、そんな心境だ。
悲しみも寂しさもあるけれど、それよりもこの新世界との出会いをかみしめたい。
世のなかには、いろんな仕事がある。いざというときに役に立つ仕事がある。
この葬祭の仕事に関わる人々に、改めて心から感謝と尊敬を。
今回、かなり人生観も変わったような気がする。
送る仕事。とても大切だ。
この皆さまのおかげで、母は素敵な旅立ちができたのだから・・・。
新世界との出会いと学び。
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