何日か前に、「ラストレターと天空の観覧車」というエッセイを書いていた。実はこのタイトルにある「天空の観覧車」とは、先日ある方と会食しているときに、ふっと浮かんだ言葉であったが、口から出た瞬間、何とも言えない情感を抱いた。観覧車は楽しく夢のあるものだという以外に、生きることは歓びや楽しみだけでなく、悲しさやつらさも包括している。観覧車はその象徴でもあり、そして突き抜けた永遠を目指すのだ・・・と、そんなイメージを改めてもった。そして上を見上げれば、自分の空に自分を見守る観覧車があるのだと。
その言葉が生まれてからは、時々いなくなったいろんな人のことを思い出し、自分の頭上をゆっくり回る観覧車のことを想像し、悲しいワルツが浮かんで来たりしていた。
そんななか、「ブログをいつも読んでます。」と昨年行った勉強会の受講生の方からメールが届く。「おお、読んでもらっているのか~」とうれしくなり、次に「とくに最近では『ラストレターと天空の観覧車』が心に響きました」とあり、さらに、「ああ、そうか~・・・」彼女のお父上が最近、病気で亡くなられたのだ。その彼女が私のブログを読み続けてくれていたのか・・。
あまりに急なことで、ご本人も・・・と間接的にお聞きしており、とても心配であるが、どう言葉をかけたらいいかと思い落ち着いたら・・と思っていたところ、あるきっかけでこのメールをいただいた。
お父様が生きておられるときは元気を得るために、そして今は癒しのために読んでくださっているともあり、そのことが心に沁みた。
言葉は人の心を動かす。音楽以外にも、心を響かせることができるのが「コトバ」である。私が書いた文章、彼女がくれた感想。このやりとりで十分、響き合った。
この「デジタル・オリエンテッド」のわさわさした世の中に、悲しみや苦しみを乗り越えようとしている人に、響く何かをお届けできたら・・・それだけでいい。
近日、彼女と会う。楽しみだ。元気に、持ち前の笑顔で生きようね。お父さんは天空の観覧車に乗って、あなたとお母さんをずっと見守ってくださっているから・・。言葉のハーモニーは、人に活力を与え、励まし、癒すこともできる。
コミュニケーションは「言葉のハーモニー」。
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