なかなかカラダが思うようにならなくなってきた母は、その分、口が達者で
本当に驚く。すべての機能を口先に集中させたように。機関銃のごとく、
矢継ぎ早に爆音がとんでくる。
人間、どこかが弱っても、気力さえあれば、残った力で生きてしまう、
生きようとする・・・。
それが生命力なのかも・・・と母を見ていて思う。
とにかく、実家に行くたび、ちょっとしたことで口論になる。
もしかしたら、喧嘩仕掛けの達人かもしれないし、
相手を怒らせる天才かも。そして自分自身もすぐに着火。
セルフアンガー。残念ながら、アンガーマネジメントという言葉はない。
今回も、ちょっとしたことから言い合いになり、言い合った挙句に
「もう、殺してくれ~。こんな人生いやや~」
「あほか、なんで、殺さなあかんのや。私の人生、終わってまうやろ。
自分が生んで育てた子に、殺してくれとは、本当に自分勝手やな~。」
と、これも毎度の会話になってきており、本当に情けないのであるが、
口論のあとには、こういう展開。
そして、今回、それに続く新たな発言。
「やっぱ、長生きせなあかんな。喧嘩せんとあかんし」
とつぶやいている。
「はあ?誰と喧嘩?」
「昌子さんとや」
と、言われてしまい、まあ、呆れる。
殺してくれと言われたり、娘と喧嘩するために長生きするとか、
一体、どうなっているのだろう?
長生きせなあかん。
と、よく老人は言うけれど、私は今だに、なんで長生きするの?と
思い続けながら、日々、兼業介護に時間を費やしている。
ま、生きているからこそのありがたき時間。
長生きせなあかん。
この気持ちが命を強くするのだろう。
常に前向きに。私こそが、生きなあかん。病に伏すことは許されない。