信子さん。私の実家のごく近所のおばちゃんの名前だ。
私が幼稚園、小学校の頃から、ずっと 近所のおばちゃんのひとりとして
馴染んでいた。母同士が仲良しだ。同世代、母よりは少し若い。
私がピアノやエレクトーンをやり始めた頃から、ずっとだお馴染みだ。
18歳で岐阜を出て、40年。
しばらく近所のおばちゃんたちともご無沙汰であったが、
ふるさとライブや地元での演奏会には、皆さん揃って来てくださった。
おばちゃんたちにとっては、私はいくつになっても
「まさこちゃん」
である。
そのおばちゃんたちのなかで、最近、かなり接近気味の方が何名かいる。
母のことを気にかけ、いろいろしてくださる皆さん。ありがたい。
お菓子や野菜をもってきてくれたり、コトバをかけてくれたり・・。
岐阜新聞のライブまで、車に乗り合って駆けつけてくださったり・・。
とくに農家をされている方たちは、自分でつくったものを、農協の直売所に出すついで・・といっては、今日はとれすぎた・と言っては、実家に届けてくださる。
このたび、その信子さんから、新鮮な野菜のおすそ分けをいただいた。
信子さんが作ったほうれん草、ブロッコリー、カリフラワー。はじめて見た。
そうなんだ。おばちゃん、畑仕事のプロだったんだ。そういえば、子供の頃から
いつも畑にいた・・。かっぽう着や、麦藁帽や長靴をいつも履いているイメージ。いつも働いている、働き者なのだ。
学校帰りに、畑の横を通り、作業から立ち上がったおばちゃんと目が合うと、「あ、まーちゃん、今帰り?」と声をかけられたものだ。
信子さんのほうれん草。
信子さんのブロッコリー。
信子さんのカリフラワー。
実際に、いただいてみた。
どれも格別だ。やはり作る人の顔が見えると、余計においしい。
どれも味がしっかり、甘くて、野菜の味がする。感動した。
子どもの頃は、単なる近所のおばちゃんであった信子さんの半世紀が
これらの野菜を食べながら、走馬灯のように蘇った。
畑仕事をする人は、若々しい。信子さん、かっこいい。母とともに、
元気に長生きしてほしい。
近所のおばちゃん、子供の頃は、ちょっと苦手だったけれど、
今はありがたくて、愛おしい。