介護というのは、ほんとうに正解がない。
と、その言葉を教えてくれたのは、知人のコピーライターであるが、
日々そのとおりであると、実感することが多い。
自分の力で生活するのが難しくなってきた父は、施設にお世話になっている。
一年前、入院していた病院のリハビリの報告書を整理していると、病院の看護士さんたちの記述の後、本人のコメント欄があり、
「家に帰りたい」
と毎月書かれているのを見て、胸がつぶれそうになった。
家に帰りたいと書いてあるのに、実際、家に帰れていない。
脳梗塞で倒れ、入院した一昨年前の9月以来、家に帰っていない。
その後の父の生活の変化を思い出しながら、そのときそのときは、一番いい選択をしてきたつもりが、ほんとうにそれでよかったのか、よいのか・・は
疑問のままだ。
せめてもと、コロナで面会がままならない状況でも、こまめに施設に差し入れを
持参しているが、これは私の自己満足でしかないのかも・・・。
そして、母は父の入院から、ひとり暮らしに。その後、コロナでこれまた大きな変化が起き、前のように一人で暮らすことが難しくなった。施設での短期利用を経て、現在は家で、ケアマネさんのお世話になり、1年前までは知ることもなかったデイサービス、ヘルパーさん、ショートステイ・・・の各サービスを併用し、近所の皆さんにお世話になりながら、なんとか自宅での暮らしを続けている。
と、なんとか親たちは、紆余曲折しながら安定した毎日を過ごしているということもできるが、このカタチが良いのかどうかは、わからない。
ともすると、家族たちの自分都合で行動している、そんなことはないだろうか?と思うことが多い。
ただ、心の奥にあることは、「自分が守る」ということ。
父母がいい人生の結びができるように、そうでなければと思う。
口では怒ってばかりいても、私が守る。
と、そんな気持ちでいる。
ただ、そう思うと、今のカタチがこれでいいのか?はわからない。
守る。このことは、大切ではないだろうか。
私もおかげさまで、周囲に守られて生きている。
そして、親に守られて、幼少期を過ごした。それがなければ今はなかった。
だから、
今度は、自分が守る番。
と、心の奥底では思っているが、その行動にはまだまだ迷いが多い。