言葉足らずの愛を、助詞で唄う。

今年最初のライブでは、なんとか新作を発表したくて、
それでも時間をかけてじっくり・・は難しく
壮大な曲づくりはできなかったけれど、歩きながら口ずさめる程度の
小品を本番前にざっと書いた。

今の私の関心テーマのひとつである、「老夫婦のコミュニケーション」。
それを見ている目線で、歌詞を書いてみた。
それぞれ考えていることがあるだろうに、会えないまま、
ネットも使えないから、伝えることも難しいまま、
半世紀以上一緒に暮らした日々が、止まった時間となって
日々が流れる。

そんな状況を娘が見ているという目線での作品だ。
最近、父の施設に持参する手紙の中に、母の直筆も入れるようにして
いることからヒントを得た歌だ。
歌詞はこんな感じだ。(一部抜粋)


「言葉足らずのてがみ」

父は 父の 父が 父も
  
父に 父を 父と 父よ。

母は 母の 母が 母も

母に 母を 母と 母よ。

思い通じると いいね。  

笑って過ごせる 日々を  

楽しい思い出 並べ 
   
生きた道のり 立ち止まる。♪

・・・・・

言葉が上手く出ない夫婦。
何が言いたいのか よくわからない。
でも、主語を言うだけで 思いがあり、
また助詞が変わるだけで、いろんな風景が広がる。
今、離れて生活して1年半になる両親のそれぞれの
言葉足らずとあふれる思いを歌にしてみた。
昨日のミニコンサートで、こちらも即興演奏で初披露。
あたたかい拍手をいただき、こちらの心があたたまった。

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