言いにくいことを言うパワーを理解するには・・

ある青年~サラリーマンから相談があるので時間をとってほしいとの連絡が入る。本当はイレギュラーであるが、ま、久しぶりでもあり、熱心なので会うだけ会って話を聞くことにする。その会社にはお世話になってきたからとか、上司と懇意にしているからとか、ま、いろんなおつきあいで、イレギュラーだったり、サービス相談だったり・・・時にはある。
会う以上は、相手も求めてきているのだから、真剣に聞き、考え、応えなければ。そこに費用が発生するとかしないとか以前に、会った時間を自分はもちろん、相手にも無駄に感じさせたくないため、会う以上は真剣に対話する。
ある商品の営業についての相談であった。ぱっと見て気づくことを、いろんな角度から話す。すると、「そうですよね。やっぱそうですよね」相槌を打って聞いている姿勢。でも、ずっと手を膝においたままで、うなづいている。45分ほど話し、かなりアイデアも出したと思ったときに「あのさ、時間とってくださいと連絡くれて、こちらも時間使ってここにきている以上、真剣に考え、話しているよ。」「はい、そうですよね。ありがとうございます。」「じゃ、メモとったら?」ついに、しびれがきれたのだ。親子ほど?年齢も離れているが、私の部下でも社員でもない。でも、言わなくちゃ。「こんだけ話したこと、書かずに大丈夫?」「へ?メモとっていいんですか?」と却って聞かれた。「いやー、自分もメモとりたかったんですけど、メモとったらダメなのかと思いました。」びっくりの弁明。「メモとらないと忘れて、行動できないよね。書きたいと思ったら、そのとき聞けばいいじゃん。」「あ、そっか・・。では、失礼します」とポケットから手帳とペンをだし、メモを取り始めた。「営業だったら、相手に話を聞くとき、また勉強をさせてもらうとき、メモをとるのが普通だと思うし、失礼します。と言えばいいし、その姿勢にも好感もたれるんじゃないかな?」と話すと、その若者はなるほど。という顔をした。
話している相手のことを、メモをとってないな~と疑心暗鬼になって話を続けるよりも、言った方がいいと思い、「メモしたら」と言ってしまったが、正直、この一言を言うにはかなりパワーが要る。言いにくいことを言う・・というのは、かなり勇気が要るのだ。
でも、そのおかげで、なんでも話せるようになって、対話もよりスムーズになり、かえってくる質問もより的確になった。
「どうせお互い1時間時間を使うならば、お互いに良かった!と思う時間にならなければ、会うだけ時間が無駄だよね。せっかく会ったんだから・・」と言う。彼の求めていることに今日、自分は対応できていたかどうか?わからないが、きっと頭の整理のヒントにはなってくれているといいと思う。
歯の浮いたような言葉は好きではないが、言いにくく、でも言わねばならぬことを言うことも本当は好きではないが、それを経験すると、言いにくいことを言ってくれてきた先輩たちの苦労や配慮が理解できる。
苦い良薬。コミュニケーションにも必要だ。そして、それを過ぎると相手とより親密になれるのも良きこと。

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