今年、約40年ぶりの再会を果たした高校時代の同級生と今年、もう一度会っておきたいと思い、待ち合わせをした。
地元の岐阜駅ビル。新しくできた、チェックしておきたいと思ったフルーツパーラーなるお店。女子高校生の気分で、そこをチョイス。お店の前で待ち合わせして、「待った~?」「久しぶり~」とこれまた女子高生の気分再びという感じで再会を喜び、ゆったりした席をキープし、思い思いのオーダーをして、すぐさま語り合う。その店には、アクリルのパーテーションはない。おしゃべりする女子高生には注意が必要だ。
最初はマスクを着用して、話しはじめる。
ドリンクやケーキが提供され、「いただきます」。のときは当然マスクを外す。
その後、食べたり話したりの繰り返しになるが、さすがにマスク会食を心得ていても、会話もしながら、いちいちマスクを食事中に付けたり外したりは難しい。
そんなときに、その同級生の彼女、おもむろにバッグから何か小物を出した。
なんだろう?袋に入った小物。彼女は袋からそれを取り出す。
!!扇子が出てきた。小ぶりのちょっとエレガントな感じのものだ。
おかしいな、この部屋そんなに暑くないし、ケーキやアイスを食べているのに
暑いのかな?もしかしたら、久しぶりの再会、炸裂トークで興奮で暑い?まさか?と思っていたら、彼女はマスクの代わりに、その扇子を使い始めた。
話すときに、扇子で口元を隠すのだ。
私は瞬時に、感動を覚えた。なるほど。そう出たか~。
この1年間、このようなコロナ対策をする人は初めて見たのだ。
素晴らしい!
扇子は食事中、マスク代わりになる。確かになる。
見た目もおしゃれで、本人にも、相手にもいい感じ。
アクリルや、ビニールとか、そんな無機質なもので距離をとるケースをずっと見けてきたが、扇子を使うとは、なんとコミュニケーションの「センス」があることか。
洋行帰りの(今は無理であるが)貴婦人のごとく、はたまたベルサイユのばらのマリーアントワネットのような優雅さをも感じる。・・とそんな印象だった。
さすが、彼女はバイオリニスト。品格ある世界で生きているから、このような
たしなみが日常なのだ。男社会のビジネスの世界では、こういうスタイルは皆無・・・。
マスク会食、あるいは商談でも何でもいい。季節問わず扇子をバッグに入れておく。早速やってみようと思った。
2時間におよぶ会話も、おかげさまで快適で、楽しい時間をいただいた。
改めて、彼女、なかなかセンスがある。
違う世界で生きる人と時々会うことは、互いに何かと刺激になる。
「また会おうね~」マーサではなく、「いまおちゃん」と呼ばれていたあの時代がまぶしく蘇るひととき。やっぱり、宝物だ。
センスが光る、コロナ禍のたしなみ
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