さらに加速する高齢化社会。親世代の生活の変化が著しい。
元気に団体旅行へ出かけ、日々も車で、自転車でとそれぞれ元気にお出かけしていたお年寄りたちが、このコロナで急に行き場を失った。
そこから急にデイサービスなどの利用をはじめる方も増えてきたかもしれない。
もっとも、福祉施設もコロナを見ながらの運営で、利用者が多いから万々歳というわけにはいかないだろうが。
一方、医療機関の経営が危ぶまれている。コロナ患者の受け入れだけでなく、コロナで病院に行きづらくなったという点もあり、地域の医療機関は、待ちの医療から、応援に力を入れ始めている。
おうちにお医者さんが来てくださるなんて、大変ありがたい。
母のもとにも、週に一度、主治医の先生が往診に来てくださる。
家族にとってもありがたい限り。
子どもと同居していない、あるいは子どもがいないお年寄りにとって、地域社会は暮らしのすべてである。
実家の近所のある喫茶店は、母がずっと利用してきていることもあって、そこの弁当を毎日自宅にお届けいただき、週に一度は喫茶店に連れ出してくれる。
特別なサービスをしてくださっている。飲食の提供だけでなく、見守りもしてくれている。本当にありがたい。
それに加えて、デイサービスやヘルパーさんの活用。
ここに関わってくださっている皆さんも、地域の方々。
さらに、ご近所さま、近くに住む親せきのおじさん、おばさん。
ゴミ出しの日から、庭の掃除から・・親ができなくなってきていることを手伝ってくださるようになり、私も自分で無理なときは、自然にお願いするようになった。「いつでも言ってね」と、この一言が本当にありがたい。
元気で若かったときは、それぞれ自分の好きなように生きていたが、
身体が自由に動かなくなることで、周囲の支えがなければ生きられない。
そんなときに、ほどよい地域との関係は不可欠だ。
田舎の人の目が苦手であった若い日もあったが、今は、実家のご近所さまの
おかげだと、自然に挨拶も出る。
とくにコロナ後は、地域の中で生きる。
ということがますます重要になる。
母のこの1年を見ていて、改めてご近所の皆さまに、頭が下がる。
毎週日曜は、母がその近所の喫茶店にお出かけし、近所のおばあさん同士
語らう日。
今日もその日だ。会える友達がいるだけ、彼女は幸せだ。
地域とは、地縁とは本当に大切。母にとって、かけがえのないお守りだ。
長年のかかわりから生まれる絆が、高齢化社会を支えているといえるかも
しれない。
これは、都会にはない現象だ。
経済活動とは別に、心で助け合う。お互いさま。
コロナで見えてきたことのひとつが、この地縁への感謝。