今年、コロナ終息に向け、日本中に救いを与えた存在のひとつが、
「アマビエ」伝説。
もし、コロナがなかったら、この妖怪の存在を知ることはなかっただろう。
そして、ネットの普及やクリエイティブな素材性により、この
アマビエの認知は広がった。
100年前の疫病時にも、このアマビエ(当時はアマビコ)を信仰していたらしいが、ネット社会ではなかったため、今日のように広く知られることはなかったが、静かに伝承されてきた。そして、このコロナでブームとなった。
今年、日本発の妖怪・伝承文化の発信がこのコロナ禍において
人々を元気づけたことは間違いがない。
そんななか、たまたま愛知県一宮市出身の画家 三岸節子記念美術館に足を
運んだとき、館内に偶然にも、アマビエの神社を発見。
なんと、地元のお菓子屋さんが、感染症終息を願い、アマビエのお菓子を
企画製造。この美術館内のカフェで期間・数量限定では販売しはじめており、
お菓子を販売するにとどまらず、注文したら、この神社にもっていき、お供えをしてお参りしてから、召し上がってくださいという提案。
そのための神社である。
祈りまでセットにしているアマビエスィーツの提供とは、驚いた。
私はこのことを知らずに美術館を訪ねていたのであるが、当日がこのアマビエお菓子の発売開始日で、地元紙の朝刊にも、掲載されていたようで、お店に滞在するわずか30分の間に、多くのお客様が「アマビエ、まだある?」と駆けつけ、すぐに初日分の完売となった。
単にキャラクターとして楽しむだけでなく、みんなでお参りして、感染症の終息を願おうとするこのムーブメントがとても素晴らしく、日本的でもあり、まさにこの取り組み自体がコロナ禍のアート活動でもあると感じた。
求肥入りのこだわりのお菓子。和菓子好きな方には、とても美味しくありがたい
お守りになった。
アマビエを活かすコミュニケーション活動はまだまだ続く。
モノで終わらせず、コトにしていくことが大切。
とにかく早く終息し、みんなが心身共に元気に過ごせるように。