四半世紀前、マーケティングリサーチの有効なスポットとして書店は、筆頭的な存在であった。
企画をするなら、まず本屋へ行けば、いろんなアイデアが湧いてくると
よく利用したものだ。マーケティングプランナーという職種は便利で、
「ちょっと本屋行ってきます」という外出は、立派な仕事として認められた。
図書館も良いが、本屋は最新のものがあるという点で、マーケティングには大変有効であった。
書店に行くとついつい、必要そうな書籍をすぐ「購入してしまい、抱えきれないほどの買い物になったこともしばしば・・・。企画が終われば山積み・・・。
だから、本は増える一方であった。
ところが、このネット社会。
ある程度の調べものはネットで済んでしまう。
また買いたい書籍も、ネットで購入できるし、最近では電子ブックもあって
いわゆる本屋さんとの距離は遠くなった。
しかし、このコロナ禍で、書店が再び活気づいてきた。
自粛ムードのなか、開店している書店はあり、来店客も多かった。
他に行くところもなかったのもあるが、娯楽的にも本屋って面白いと思った
人も多いはずだ。私自身は、そう感じた。
確かに家にいる時間が長いと、本でも読みたくなる。
パソコンで読むのではなく、本を手にとって眺めたい、読みたい。という欲求が久しぶりに湧いてきた。
ただ、生活が日常に戻ると、再び書店へ行く回数は減った。
この三連休、久しぶりに丸善に行く。東京や京都で丸善は社会人になってから、よく利用してきたお店であるが、名古屋にも立派な本店がある。
いかにも「THE丸善」らしい品揃えで、書店らしいPOPも多く、また最近人気の付録本のディスプレイや話題の書もずらりそろって、お店の楽しさを感じた。
趣味のフロアを歩いてみると、料理本の種類の多さに驚き、また登山の書籍から、鉄道マニアの本まで・・・。
ネットでは検索しないジャンルの本に、書店では偶然出会うことができる。
「へえ、こんなにあるんだ~」「このシリーズ面白いなあ」
とネットでは味わえない楽しさがある。
本屋はやはり企画の宝庫だ。
実際、店内を歩いているうちにあれこれ浮かんでくるのだ。
知との出会いを求める空間として、ブックストアは大切にしたい。
店内に素敵なカフェがあれば、尚いい。
町に出よう。本屋に行こう。
本屋は密になりづらそうで、尚いい。
読書の秋。ぜひ紙の本を楽しみたい。