先日出向いた、久しぶりの東京の谷中。何年も、上野方面を訪ねるたび、ずっと愛用していたケーキやさん。お店は古いのと特にも凝っておらず、見た目はともかく、味が良く、お値打ち。週末のマドレーヌの特価が気に入っていた。
私の好みの昭和の焼き菓子の味わい・・。
どうやら業務用に製造しているお店のようだ。
1年前に行ったきり、今年になってからは行けていなかった。
さて、久しぶりに・・とお取り置きの電話をしようと、登録してある番号を押す。
「お客様がおかけの電話は・・・」嫌なアナウンスが流れた。
まさか?次にネットで検索。もともとホームページもないから、誰かが書き込んでいないとわからないが、今の時代は、そういう点は便利。
お店が閉店したと書き込まれている。
「へ?何かの間違いじゃないの?」
その情報が信じられず、そのままとにかく店の前まで駆けつけてみる。
もうお店の影も形もなく、他の建物ができつつあった。
あれ?ここにあったはずなのに・・・。
「ああ、ここのマドレーヌ、もう食べられないのか~」
本当においしかったのと、おいしいマドレーヌが年々減っているため、
ショックは大きかった。
どこかでまた店が始まるだろうか?今のところ、調べようもない。
悲しい気持ちを収めるまでに、しばらく時間がかかった。
数日後。散歩を兼ねて、名古屋城の近くのホテルを目指して歩く。
昔東京に住んでいたころ、出張やまたは親を連れて宿泊など利用
していたホテルだ。
こちらも半年以上ご無沙汰している。
もう宿泊することはないけれど、せっかくだからパンでも・・と
向かい、ホテルの玄関まで向かう。
様子がおかしい。駐車場にゴミの山・・。建物の中が暗い。
ロータリーには人がおらず、ゴミの山だけ・・。
へ?ここも?
営業していると確信していたため、ここに来るまでWEBサイトも
見ていなかった。あわててスマホでみると、なんと、
9月末で営業を終了したとのこと。
もともと、改装するつもりだったのか、立て直すつもりだったのか
はたまたコロナで・・・。
こちらもショックで、しばらく誰もいないホテルの前でたたずみ、
そのうち壊されてしまうかもと思い、名古屋城をバックに撮影。
親孝行もどきをしたひとときを思い出し・・・。
そんなこんなで、こんな風に、そこに行けば必ずある。と信じていた店が
ぽつぽつと消えていく。
これはコロナのせいだ。
店がなくなるということは、お客ももちろん困るけれど、それ以上にそこで働く人たちが・・・どうされているのだろう?
いつもあると信じているものが消えていく。
2020年はそんなことを体験してしまう、縁起でもない年だ。
閉店、廃業・・・これからますます増えることが怖い。
どうこの危機を乗り越えるのか。
本当にいち早い判断が求められる。
お客としては、寂しいけれど、お互いがんばっていれば、またどこかで会えると
信じて、再会の日を待ち、自分もがんばらねばと思う。
生きていれば、がんばっていれば、覚えていれば、願っていれば、
形が変わっても、どこかでいつか、再会できると信じて・・。