話題は、昨日から続く。
施設に住まう、父のバースデー。
家族がいつ来るのかと何日も前から、自身の誕生日を楽しみにしていたようだ。
母と妹とともに、施設を訪ねる。母は別の施設を退所し、その足での訪問。
コロナの影響で、
同時に三人の受け入れは難しいと言われ、交代で、面会する。
しかも部屋には入ることができず、玄関にある応接にて。
入れ替わり立ち代わり、プレゼントを手に見舞いながら、祝う。
父は、一見無表情、でもうれしそうに、プリンや焼き菓子など
お菓子をしっかり食べ、娘らからのプレゼントを喜ぶ。
名案がなかったため、大したプレゼントはないが、全員の署名が入った
お祝いカードはしっかり握っていた。
施設での面会バースデーはどこか寂しい。
少しでも賑わいを・・。
「写真でもとるかな?」
施設の方に無理をいって、撮影をお願いし、その間だけ全員がそろう。
久しぶりの家族の集合写真。
新しい環境に疲れながらも、がんばっている父と母。
久しぶりの集合写真。家族が誕生日に揃うなんて何十年ぶりかもしれない。
スマホでの撮影は、どこを見ていいかわからないため、焦点が合っていないが、
これもよし。
記念の1枚になっただろうか。
「みんなで撮れてよかったわ。」
と、スマホで確認しながら、母はとても喜んだ。父もうれしそうであった。
別れ際、ハッピーバースデー の歌を歌う。父は静かに目を閉じてきいていた。
「あさって、ライブに来るんか」
父が喜ぶことを、出来る限り、やり続ける。
1年かけてのバースデープレゼント。それもあり。
まずは、この写真をプリントして届けること。
84年も生きてきた。生きているということ。ここを大切にしたい。
そして、そのために、今こそ、家族で集合!。