毎日が、コミュニケーション実践講座

出張先に、施設の方より、父が「家に帰りたい」と叫んでいるとの連絡が入る。
はあ。今度はこれか~。
と、そんな日々。
しかし、ほっておくことはできない。
まず、医師に相談し、興奮をおさえる方法を教えていただく。こちらは治療。
もちろん、クスリだけに頼るのは、よくない。自分たちができることをしなければならない。
今日もまた興奮されたらどうしようかと思いつつ、施設の父を訪ねる。
眠りつつある父であったが、人の気配で目が覚めたようだ。
頭は確かなようで、やはり今回も「家に帰りたい」という主旨のことを、
ろれつの回らない口で話す。
「そうやね。その気持ちわかるよ~」
今回は、あなたと同じ気持ち!作戦。
共感する。心を寄せるということだ。
「そりゃ、誰だってうちに帰りたいし、帰れるようにしてあげたいよ。でも、
今は無理だから、まず、元気になって、そうしたら、帰れるよ」
という感じで話を続けると、父は黙って聞いていた。
やはり、いきなり否定、拒絶から入るのではなく、相手の気持ちに寄り添い、
その気持ちがわかるという姿勢が大切だと思う。
前回は、向かい合ってではなく、並んで会話することを学び、
今回は、「わかるよ~。」とことん同意、共感の姿勢を学ぶ。

親とのコミュニケーションについて考える機会が多くなっているが、
これはまさに、実践講座だ。
次に活かしていける、活かしていかねば・・・・。

不思議なものだ。
穏やかな父の顔を見ていると、こちらも安堵する。

まだまだ続く、コミュニケーション実践講座・・。



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